後輩の気持ち

「…………あれ?しょ…………轟さん?」


「……お。苗字の後輩さん。」


「こんなとこで何してるんですか?張り込みとか?」


「いや、苗字を待ってて。」


「先輩!?あぁ……そっか、今定時だから……帰るつもりだったんだな……。」


「どうしたんだ。」


「あーいや……先輩ちょっと他の人のミスに付き合わされちゃって、今手が離せそうに無いんですよね。」


「……そうか。」


「今日は辞めた方がいいかもですけど…………先輩に伝えときましょうか?」


「……いや、待ってるから大丈夫だ。」


「え!?いつになるかわかりませんよ!?」


「大丈夫だ、少しでも顔見れるならそれで。」


けっっっ、健気!!!


先輩、超愛されてますね!!うわ!!そしてこの優しい微笑み!!ショートやばい!!かっこよ!!


「そ、それならせめて中入っててください!轟さん有名だし、苗字先輩の友達ってことにしておけば、」


「……友達。」


うわあああ!!嫌そううう!!!友達ですら嫌なんですね!でもまだ付き合ってないから彼氏でもないし、でも友達は嫌なんですね!!わかります!!


「ま、まぁまぁ!とりあえずですよ。それにこんな外で待ってるより、中で待っててくれた方が先輩も気づいた時、気も楽だと思いますよ?」


「……確かに、入らせてもらってもいいか?」


「はい!どうぞどうぞ!」





「…………え?ショートじゃね?」


「え!?嘘!?な、なんで、」


「ええっと…………苗字先輩に用事あるみたいで!!」


「苗字に……?仕事の案件か?」


「……いえ、プライベートで。すいません、仕事の邪魔して。」


「い、いやいやいや!!!」


「全然!!いくらでもいてもらって構わないですよ!!」


そう言って笑う編集部の面々。そりゃそうだ、来たのは超人気イケメンヒーロー、生で見るだけでお肌が若返りそうだもん。


「……ありがとうございます。」


そう言って軽く笑った轟さん、しかしその笑顔は先輩の前で見せるものより遥かに固くて。まぁそれでも破壊力はとんでもないので、編集部には黄色い悲鳴が上がった。


「その内先輩出てくると思うんで、ソファーにでも座っててください!」


「わかった、……ありがとう。」


「いえいえ!それでは!」


先輩は愛されてるなぁ、ちょっとだけ羨ましくもなる。


イケメンで、優しくて、強くて一途。これ以上に良い男なんているのだろうか?


とは言え、大好きで尊敬する先輩を、轟さんなら……ショートなら幸せにしてくれるだろう。


……必ず幸せにしてあげて欲しい、壮絶な過去を生きた先輩。仕事に明け暮れて、ショートから目を逸らそうと必死に生きてた先輩。


いつか2人が結ばれた日に、言ってやるんだ。


お幸せに、って!!

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