個性の話
「先生!!!疲れてますか!!!」
「めっちゃ元気だ。」
「なんで!!!」
わぁ!!と顔を覆って膝から崩れ落ちた苗字。
「……なんだか罪悪感が沸いてきますわ……。」
「俺もだ……。」
「い、いや2人のせいじゃ無いと思うよ!!」
そう言ってフォローして来た緑谷。残すは苗字と緑谷爆豪のペアか。
そして苗字の番は少し前に始まり、ゲートの前まで辿り着いて先生に向かって膝から崩れ落ちた。
「まぁでも苗字さん、轟くん達が体力削れることにかなり賭けてたからなぁ……。」
「それもそれでどうなんだ、苗字くんは!自分の力だけで勝とうという気は無いのかね。」
「いやぁでも先生相手に1人やしなぁ……。」
「でもあいつの個性、結構戦闘向きなんだろ?あんま見たことねぇけど。」
切島の声に皆頷く。確かに、そこまでちゃんと見たことねぇな。
「USJの時はなんか視界の端で戦ってんのは見えたけど、正直それどころじゃなかったし、自分のことで手一杯でなぁ……。」
◇
上鳴くんの言葉にも深く頷ける、確かにそうだ。
あの時は本当に生き延びることが出来ただけで救いだった、クラスメイトの個性をちゃんと見てる暇なんて無かったんだ。
……だからこそ、今回こうして見れるのは有難い。
苗字さんの戦い方もギリギリまで見て、僕たちの番もかっちゃんと……少しでも協力してオールマイトに勝ちたい。
「どうした、早く来ないと時間切れになるぞ。」
「うぅ……!!」
しかしながら苗字さんに対峙して、ニヤニヤ煽っている相澤先生は若干ヴィランっ気があるなぁ……。
すると立ち上がった苗字さんは、
「……いきます!!」
両手を構えて、片手で拳を握り片手の手のひらに押し付けた。
「アイスメイク!!」
「…………は、はああああ!!?」
上鳴くんや峯田くんの声に便乗して、僕も口をあんぐりと開けてしまう。
何故ならモニターには、氷でできた巨大な鷹のような生き物が空を舞っていたから。
すると鷹は先生に向かって氷柱の雨を降らせる、が先生は1歩早くその場から逃げようとするが
地面は既に、凍っていて。
「っ!!」
若干足元を覚束せながらも民家の屋根上に移動するが、またも氷柱の雨が降り注ぐ。
「……従順な鷹だな。」
追われるようにして地面に降り立つと、
そこには凍てつく氷で精製されたダガーを両手に構えた苗字さん。
「っほんと、お前のは戦闘向きだな!!」
その瞬間、先生は個性を発動した、が。
「……っ!?」
鷹も、ダガーも消えてない。溶けてない。
先生の動揺した一瞬の隙に懐へと潜り込んだ苗字さんは、ダガーで切りつけ蹴り飛ばした。
そして逃がす暇も与えず、先生の捕縛布をダガーで壁に縫いつけ
「……良かったぁ……!」
手錠を嵌めた。