個性の話

「先生!!!疲れてますか!!!」


「めっちゃ元気だ。」


「なんで!!!」


わぁ!!と顔を覆って膝から崩れ落ちた苗字。


「……なんだか罪悪感が沸いてきますわ……。」


「俺もだ……。」


「い、いや2人のせいじゃ無いと思うよ!!」


そう言ってフォローして来た緑谷。残すは苗字と緑谷爆豪のペアか。


そして苗字の番は少し前に始まり、ゲートの前まで辿り着いて先生に向かって膝から崩れ落ちた。


「まぁでも苗字さん、轟くん達が体力削れることにかなり賭けてたからなぁ……。」


「それもそれでどうなんだ、苗字くんは!自分の力だけで勝とうという気は無いのかね。」


「いやぁでも先生相手に1人やしなぁ……。」


「でもあいつの個性、結構戦闘向きなんだろ?あんま見たことねぇけど。」


切島の声に皆頷く。確かに、そこまでちゃんと見たことねぇな。


「USJの時はなんか視界の端で戦ってんのは見えたけど、正直それどころじゃなかったし、自分のことで手一杯でなぁ……。」





上鳴くんの言葉にも深く頷ける、確かにそうだ。


あの時は本当に生き延びることが出来ただけで救いだった、クラスメイトの個性をちゃんと見てる暇なんて無かったんだ。


……だからこそ、今回こうして見れるのは有難い。


苗字さんの戦い方もギリギリまで見て、僕たちの番もかっちゃんと……少しでも協力してオールマイトに勝ちたい。


「どうした、早く来ないと時間切れになるぞ。」


「うぅ……!!」


しかしながら苗字さんに対峙して、ニヤニヤ煽っている相澤先生は若干ヴィランっ気があるなぁ……。


すると立ち上がった苗字さんは、


「……いきます!!」


両手を構えて、片手で拳を握り片手の手のひらに押し付けた。


「アイスメイク!!」


「…………は、はああああ!!?」


上鳴くんや峯田くんの声に便乗して、僕も口をあんぐりと開けてしまう。


何故ならモニターには、氷でできた巨大な鷹のような生き物が空を舞っていたから。


すると鷹は先生に向かって氷柱の雨を降らせる、が先生は1歩早くその場から逃げようとするが


地面は既に、凍っていて。


「っ!!」


若干足元を覚束せながらも民家の屋根上に移動するが、またも氷柱の雨が降り注ぐ。


「……従順な鷹だな。」


追われるようにして地面に降り立つと、


そこには凍てつく氷で精製されたダガーを両手に構えた苗字さん。


「っほんと、お前のは戦闘向きだな!!」


その瞬間、先生は個性を発動した、が。


「……っ!?」


鷹も、ダガーも消えてない。溶けてない。


先生の動揺した一瞬の隙に懐へと潜り込んだ苗字さんは、ダガーで切りつけ蹴り飛ばした。


そして逃がす暇も与えず、先生の捕縛布をダガーで壁に縫いつけ


「……良かったぁ……!」


手錠を嵌めた。

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