新しい風

「や、谷地仁花です!!」


おぉ!!この子が潔子さんの見つけたマネージャー候補!!


「新しい人、見つかったんすね!!」


事情の知っている日向くんと影山くんに、


「手伝ってくれてありがとね。見つかったの。」


そう言って笑った潔子さん。日向くんはちょっと顔が赤くなってる。


しかしながら谷地さんは時間無いのに来てくれたので、今日はすぐに帰ってしまった。


私も挨拶したかったなぁ。と少しだけ残念に思う。


「良かったっすね、新しい人。」


「影山くん!うん、手伝ってくれてありがとう!」


「いえ。……また、なんかあったら言ってください。手伝います。」


きゅぅん。胸が鳴いた。


「う、うん。ありがとう!」


かっこよくて優しくて、気も使えるってやばくないか?どんだけイケメンなんですか…。


練習が始まり、コートに向かう影山くん。


影山くんはいつだってかっこいい。バレーやってる時も、ご飯食べてる時も、片付けしてる時も、手伝いますって声掛けてくれる時も。


どんな一瞬を切り取ったってかっこいいのだ、しかしその度打ちのめされる。


そんな彼を好きになり、私は、隣に並べるような人間でも、影山くんに選んでもらえるような人間でも無いのだと。


すっごい好き。すっごい好きだし、影山くんの事考えるだけで幸せになる。なのに、


「……苦しい。」


これが、恋ってやつですか。





「じゃあ今日から仮入部ね。」


「よろしくお願いしゃす!」


「まずは、……名前ちゃん!」


「はい!!」


「先輩の苗字名前ちゃん。2年生、同じマネージャーだよ。」


「よろしくね、谷地さん!」


「ひ、仁花で良いっす!!お願いします!!」


ひ、ひええええ美人!!2人とも美人過ぎる!!


清水さんはほくろとか色っぽくて、大人っぽい感じ……勧誘された時もそうだったけど、皆が振り返る感じ。スゴすぎ。


苗字さんは清楚系って感じだなぁ……肌綺麗……髪もうるツヤ……。笑った顔も可愛くて、非の打ち所が無いのでは…!?


「じゃあ仁花ちゃん、よろしくね!」


こ、こんな2人とマネージャーやっていくの…?私だけちんちくりん過ぎやしないか…!?


「それじゃあ色々教えていくね?名前ちゃんはいつも通りお願いね。」


「はい!」


美人と美人の対話……見てるだけで癒されそう…。


「仁花ちゃん?どうかした?」


「え、あ!いや!!なんでもないです!!」


ついついボーッと眺めてしまうほどに美人なお2人。


私は気を引き締め、清水さんの元へと急いだ。

// list //
top