「や、谷地仁花です!!」
おぉ!!この子が潔子さんの見つけたマネージャー候補!!
「新しい人、見つかったんすね!!」
事情の知っている日向くんと影山くんに、
「手伝ってくれてありがとね。見つかったの。」
そう言って笑った潔子さん。日向くんはちょっと顔が赤くなってる。
しかしながら谷地さんは時間無いのに来てくれたので、今日はすぐに帰ってしまった。
私も挨拶したかったなぁ。と少しだけ残念に思う。
「良かったっすね、新しい人。」
「影山くん!うん、手伝ってくれてありがとう!」
「いえ。……また、なんかあったら言ってください。手伝います。」
きゅぅん。胸が鳴いた。
「う、うん。ありがとう!」
かっこよくて優しくて、気も使えるってやばくないか?どんだけイケメンなんですか…。
練習が始まり、コートに向かう影山くん。
影山くんはいつだってかっこいい。バレーやってる時も、ご飯食べてる時も、片付けしてる時も、手伝いますって声掛けてくれる時も。
どんな一瞬を切り取ったってかっこいいのだ、しかしその度打ちのめされる。
そんな彼を好きになり、私は、隣に並べるような人間でも、影山くんに選んでもらえるような人間でも無いのだと。
すっごい好き。すっごい好きだし、影山くんの事考えるだけで幸せになる。なのに、
「……苦しい。」
これが、恋ってやつですか。
◇
「じゃあ今日から仮入部ね。」
「よろしくお願いしゃす!」
「まずは、……名前ちゃん!」
「はい!!」
「先輩の苗字名前ちゃん。2年生、同じマネージャーだよ。」
「よろしくね、谷地さん!」
「ひ、仁花で良いっす!!お願いします!!」
ひ、ひええええ美人!!2人とも美人過ぎる!!
清水さんはほくろとか色っぽくて、大人っぽい感じ……勧誘された時もそうだったけど、皆が振り返る感じ。スゴすぎ。
苗字さんは清楚系って感じだなぁ……肌綺麗……髪もうるツヤ……。笑った顔も可愛くて、非の打ち所が無いのでは…!?
「じゃあ仁花ちゃん、よろしくね!」
こ、こんな2人とマネージャーやっていくの…?私だけちんちくりん過ぎやしないか…!?
「それじゃあ色々教えていくね?名前ちゃんはいつも通りお願いね。」
「はい!」
美人と美人の対話……見てるだけで癒されそう…。
「仁花ちゃん?どうかした?」
「え、あ!いや!!なんでもないです!!」
ついついボーッと眺めてしまうほどに美人なお2人。
私は気を引き締め、清水さんの元へと急いだ。