「…………で、どうしたら良いと思う?」
「え?久しぶりに会って、初めて友達が高校時代彼氏いた事を知った気持ちな??」
「ご、ごめんって!!」
わざわざ東京まで来てくれたのは友達。
今でも仲が良く、お互い宮城と東京で遠くに住んでいるが、それでもたまに会うような友人だ。
「…………まさかあの影山くんと付き合ってたとは…………流石、美人は違うなぁ。」
「からかわないでよ!?……まぁ、確かにあの頃影山くんはモテにモテてましたが…。」
「それでも全然揺らがなくて好きでいてくれたんでしょ?それで今もたぶん名前の事が好きで、でも傷つけた自分が許せなくて、それ以上は望んでこないって?はぁ?どんだけイケメンなの??」
「それな……。」
あれだけ顔が良くて、身長もあって、経済力もあって。言ってしまえば引く手数多なはず。と言うかそうに決まってる、のに、
「高校の時から名前一筋かぁ……かっこいいねぇ。」
「………………本当に、かっこよすぎる。」
自分で言ってて顔が熱くなる。かっこよすぎるんだ、あの後輩は。
「そんで?そんな自分に厳しい影山くんをどう納得させて、付き合うかってこと?」
「…………左様です。」
「ええー、ムズいな。」
「…………ムズいんです。」
いくら私が好きだと言っても、きっと彼は自分を許さない。
という事はお付き合いは出来ない。もれなく好きだと言った私はもう一度フラれる、辛い。
なので、そうならないよう幸せハッピーにお付き合いしたいのだが、
「名前が告った所で意味ないんでしょ?…………じゃあもう影山くんが自分を許すのを待つしかないんじゃない?」
「…………だよねぇ。」
「まぁそれまでに、他の子に目移りしちゃったら笑い話だけどね!!あはははは!!」
「……………………。」
「…………ごめんって。」
笑い飛ばした友達をジト目で見てしまった。私は全然笑えない。
「でも、待つには待つしかないんじゃない?その上で、名前も影山くんの事好きですよーって気づかれるか気づかれないかぐらいでアピールしとくとか。」
「……ムズすぎる。」
「知ってる知ってる。」
何それ、気づかれるか気づかれないかぐらいでアピールって、何したら良いの?
「じゃあその方法は自分で考えてみてよ!今日はもう相談窓口おしまい!!買い物行くよ!」
「え、ちょ、待ってよ友達!」
まだまだ全然攻略法がわからない。どうしたら良いんだ、私。
「ほらほら、早く!…………うわ!見てあれ、可愛いぃ!綺麗だねぇ。」
手を引かれて立ち上がると目に入った、出張店舗。
何やら有名なお店のようで、人が集まっている。
なんのお店なのかと覗き込めば、キラキラと輝いて、様々な色を持っている金平糖。
「…………ほんとだ、綺麗。」
「ね?金平糖なんてあんまり食べる事ないし、買ってみる?」
「……うん。」
私達も人の列に並び、金平糖を購入した。
いただきます、と呟き口の中に放り込む。
見た目の綺麗さそのまま、優しくて上品な甘さが広がって、なんだか沈んでいた気持ちが、引き上げられるような気さえした。
「美味しいね!?久しぶりに食べたからかな……?」
「ね、美味しい。…………それに、」
袋の中から1粒つまみ上げる。
「…………綺麗。」
指先に触れる星のような形と、綺麗な色を見ていて、母が話していた事を思い出す。
「…………そう言えば、お菓子ってあげることに意味があるんだよね。」
「え?何それ?」
「なんか、花言葉的な。何をあげるかによって、その人への意味が変わるらしいよ。」
「へー!!何それ?素敵!!知らないとわかんないし、なんかかっこいいね。」
「ね、ちょっと待って、調べてみる。」
スマホを取り出して、検索ワードに文字を打ち込む。
すると出てきた検索結果。
「うわ、ほんとなんだ。」
「信じてなかったの?」
「そんなわけないじゃん!……でも凄いね、色々あるんだぁ…。」
友達と共に小さな画面に表示された検索結果を眺める、
キャラメルを贈る意味は、一緒にいると安心する。
バームクーヘンを贈る意味は、幸せが長く続きますように。
マカロンを贈る意味は、あなたは特別な人。
また1粒、星型の砂糖を口の中に放り込む。
ふわり、広がった優しい甘さ。
甘い甘い、金平糖を贈る意味は、