気づく前に与えられた

わかんねぇ、わっっかんねぇ。


知恵熱でも出そうな程考えたがわからなかった、金平糖の真意。


こんだけ考えてもわからなくて、でも諦められなかったのはきっと、名前さんから貰ったものだからだろう。


あの人が何かに気づいて欲しいと言うならば、俺はなんとしてでも答えに辿り着きたい。


名前さんが俺にくれた言葉、行動。全部無駄にしたくねぇ。


その結果、無い頭を振り絞って頼った先は、


「…………金平糖。」


「王様、甘党だったっけ?」


「違ぇよ。」


「ツッキーも煽らない!影山も噛みつかない!……金平糖をくれるけど、意味がわからない、ねぇ……。」


「なんか隠してると思わねぇー?」


俺が持参した例の金平糖を眺めて、首を傾げる同期達。


日向に関しては呼んでもないのに来た。お前は既に戦力外だって言っただろうが。


「確かに、何か意味がありそうだよね……。」


「ちなみに誰に貰ったの?」


「………………それは、言えねぇ。」


「は?相談してる身なのに、そこは隠すわけ?」


月島の言葉にうぐっ、と詰まる。でも、名前さんと未だに繋がっていることや、頻繁に会っていることまで話す訳にはいかない。


高校の頃の話まで発展したら厄介だ。


「ま、まぁまぁ!!そこは置いといて、金平糖!」


無理やり月島の言葉をぶった切ってきた日向。…………来てくれて良かったかもしれねぇ。


「影山はさ、その人から何回も金平糖貰ってるの?」


「おう。…………5回ぐらい?」


「そんなに!?」


「なんでくれるのかは、教えてくれないんだよね?」


「あぁ。金平糖をあげたいからって言われる。」


「じゃあ他のお菓子じゃ駄目って事だね。」


「確かに!!」


ほかの菓子じゃ駄目。金平糖じゃないといけない。


更に意味がわからなくて、またも知恵熱が出そうになる。


「…………なんで金平糖なんだよ…?」


「…………意味が、あるんじゃないかな?」


谷地さんの言葉に首を傾げる。


「意味?」


「うん、実はちゃんとした意味が元々存在してるのかも。」


「どういう事?」


俺同様首を傾げた日向。


「推測だけどね……、例えば2人は月が綺麗ですね。の意味わかる?」


「………………月が綺麗なんですね。」


「…………以外にあるの……?」


「うわ。」


「まぁこの2人だし……。」


腹立つ顔をした月島と、苦笑いしてる山口。どういう事だ。


「え、えっとね、月が綺麗ですねは、愛しています。って意味が隠されてるんだよ。」


「…………なんで月が綺麗なのが愛してますになるんですか、コラ。」


「そ、そうだよ!?全然意味違うじゃん!!」


「そ、そういう意味があるってこと!月が綺麗ですねと言う言葉に隠されてるって事。それをね、金平糖に置き換えたやつもあるのかもって思って。」


「……つまり、金平糖を渡すことに何か意味があるって事か?隠された意味が。」


「そういう事!!ちょっと待ってね、調べてみるね。」


谷地さんがスマホを開く。


……イマイチ、月が綺麗ですねもわかんねぇ。なんで隠すんだよ、そのまま伝えれば良いのに。


「…………え。」


「あったの??」


「あ、う、うん。…………あったけど…………。」


「…………………………へぇ、王様もやるね。」


「は?」


谷地さんのスマホを覗き込んだ月島は、一瞬目を見開き驚いていたが、その後人を馬鹿にしたような笑みを浮かべてこちらを見ていた。


「谷地さん、見せて………………えっ!?」


山口も驚き、俺とスマホを交互に見てる。なんなんだお前ら。


「なになに!?俺たちにも教えろよー!!」


「あ、うん、…………はい。」


谷地さんがテーブルの上にスマホを俺と日向に向けて置いた。


金平糖を送る意味は、


「ぅえ!?ま、まじか………………え?影山?影山!?」


な………………んだよ、それ。



隠すって、こんな、こんなの隠さないでくださいよ。


俺がどれだけ欲しがってるかわかってて、やってんすか。


俺は自分を許しちゃいけねぇ、って思ってなんとか踏みとどまってるのに、なんで、名前さんが、


俺に永遠の愛を与えてるんすか

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