「これ!これがネモフィラ。」
「へぇ……。」
「可愛いお花でしょ?」
「……はい、名前さんみたいです。」
「へ。」
突然の攻撃に口を開いたまま固まる。
私をフリーズさせた当の本人は、愛おしそうな表情でネモフィラを眺め、写真を撮っていた。
「……そう言えば。」
「うん?」
「あの……。」
「え?何?」
思い立ったようにこちらへ向き直る影山くん。
ここら辺はあまり人もいなくて、お互いの声がよく聞こえた。
しかしながら、あの、えっと、と言いづらそうにして中々話出さない影山くん。どうしたんだ。
「こ…………。」
「こ?」
こ??
「こ、……金平糖!!」
「……あぁ!金平糖!美味しかった?またあげるね!」
「ち、違くて!!」
え?美味しくなかった?
「……意味、知りました。」
意味。
IMI。
金平糖を渡す、意味。
永遠の愛。
知りました。
ぼんっ。
顔から火が出そうな程に熱くなる。
「……その、……すっげぇ、嬉しかったです。でもなんで金平糖…?」
「う、あ、…………うん……その、堂々と好意を伝えても、意味無いって思って、金平糖に頼ったと言うか、」
「意味無い?」
「……影山くん、自分の事許さないでしょ。私が好きですって言っても。」
私の言葉に目を見開いて、そして、伏せた影山くん。
「……はい。」
「だから、影山くんが自分を許す日が来るまで待とうと思って…………その時に金平糖の意味は伝えればいいかなって、私はずっと好きだったよって伝われば良かったから……。」
「そこまで……。」
ごめんなさい、諦めの悪い女で。重い女で。
それが影山くんを苦しめてるって分かってても、……あなたを愛することを辞められない。
「…………でも、俺は、」
「……影山くん、金平糖を渡す事にも意味があるように、お花にも意味があるって知ってる?」
「……花言葉、すか。」
「あ、知ってたんだ。」
「……一応。」
花言葉なんて可愛らしいものを影山くんが知ってたことに驚いてしまう、絶対なんすか、それ。って言ってきそうなのに。
「……ネモフィラの花言葉はね、「どこでも成功」や「可憐」。そして、」
美しく咲き誇るネモフィラ達の中で、彼に笑いかける。
どうか、どうか届いて。
「「あなたを許す」。」