元気の塊とネコ

「おかえり、ノヤっさん!!!」


「おぉ!!ただいま、名前!!」


青葉城西に勝利を収めた翌日、体育館には見知った元気の塊が戻ってきていた。


「元気だったか!?」


「元気だったかって。学校でそれなりに会ってたじゃん!」


「確かにな。体育館で会うの久々だから変な感じだなー!!」


今日も眩しいノヤっさんスマイル。彼の元気はたまに分けて欲しくなるくらい有り余っている。


「おぉ!西谷!!」


3年生の皆さんが部活にやって来て、ノヤっさんの紹介。


しかしながら、戻って来ていない旭さんに怒り散らしたノヤっさんは結局、部活には戻って来なかった。


せっかく戻ってきて嬉しかったのに。少しだけ気分も落ち込んでしまう。


「……西谷さんと仲良いんすね。」


「うん、ノヤっさんいると楽しいからね!……でも帰ってきてくれないのかぁ。」


ちょっと、いやかなりがっかりだ。ノヤっさんは見ていて楽しいし、周りの人も元気になる。いてくれるとプレーとしても安心だし。





「……あれ?」


「んで、ばっとしてしゅっとしてこうだ。」


「「「???」」」


部活が終わり、片付けをしていると何故かいるノヤっさん。どういう事?


「ノヤっさん?」


「おう名前!」


「参加しないって言ってなかった?」


「レシーブ教えるためだけにいる!!そんだけ!!」


「な、なるほど…?」


よくわからないが部活に戻ってきてくれたみたいだ。良かった。


それにしても旭さん。……どうしたら戻ってきてくれるんだろう。





「音駒高校…。」


東京の古豪、って言ってたなぁ先生は。


「…ゴミ捨て場の決戦って。本当に名勝負だったんですかね。」


「うわ!?」


「毎回びっくりしないで貰えますか。」


「ご、ごめんなさい…。」


またしてもいつの間にか近くにいた月島くんに驚いてしまう。しかも今回は共に床に座りこんでいた。ち、近い。そりゃびっくりするし若干逃げ腰にもなる。


「名前はどうであれ、東京の学校と練習試合組めるなんて凄いよね。」


「……まぁ、そうですね。」


「月島くんも頑張ってね!」


「………僕は、まぁ、それなりに。」


そう言うと立ち上がって去ってしまった月島くん。


何しに来たんだ……?


「何してんすか、苗字さん。」


「何。……月島くんについて考えていた。」


「は?月島?」


「うん。」


何か用事でもあったのだろうか。でも彼が遠慮するようにもあんまり思えない、言いたかったことがあったならきっと言ってきただろう。うんうん。


「…よくわかんねぇけど、もう片付け入りますよ。」


「えっ!?あ、ほ、ほんとだ!!」


急いで立ち上がり、潔子さんの元へと急ぐ。


………あれ?影山くんも何しに来たんだ?

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