「おかえり、ノヤっさん!!!」
「おぉ!!ただいま、名前!!」
青葉城西に勝利を収めた翌日、体育館には見知った元気の塊が戻ってきていた。
「元気だったか!?」
「元気だったかって。学校でそれなりに会ってたじゃん!」
「確かにな。体育館で会うの久々だから変な感じだなー!!」
今日も眩しいノヤっさんスマイル。彼の元気はたまに分けて欲しくなるくらい有り余っている。
「おぉ!西谷!!」
3年生の皆さんが部活にやって来て、ノヤっさんの紹介。
しかしながら、戻って来ていない旭さんに怒り散らしたノヤっさんは結局、部活には戻って来なかった。
せっかく戻ってきて嬉しかったのに。少しだけ気分も落ち込んでしまう。
「……西谷さんと仲良いんすね。」
「うん、ノヤっさんいると楽しいからね!……でも帰ってきてくれないのかぁ。」
ちょっと、いやかなりがっかりだ。ノヤっさんは見ていて楽しいし、周りの人も元気になる。いてくれるとプレーとしても安心だし。
◇
「……あれ?」
「んで、ばっとしてしゅっとしてこうだ。」
「「「???」」」
部活が終わり、片付けをしていると何故かいるノヤっさん。どういう事?
「ノヤっさん?」
「おう名前!」
「参加しないって言ってなかった?」
「レシーブ教えるためだけにいる!!そんだけ!!」
「な、なるほど…?」
よくわからないが部活に戻ってきてくれたみたいだ。良かった。
それにしても旭さん。……どうしたら戻ってきてくれるんだろう。
◇
「音駒高校…。」
東京の古豪、って言ってたなぁ先生は。
「…ゴミ捨て場の決戦って。本当に名勝負だったんですかね。」
「うわ!?」
「毎回びっくりしないで貰えますか。」
「ご、ごめんなさい…。」
またしてもいつの間にか近くにいた月島くんに驚いてしまう。しかも今回は共に床に座りこんでいた。ち、近い。そりゃびっくりするし若干逃げ腰にもなる。
「名前はどうであれ、東京の学校と練習試合組めるなんて凄いよね。」
「……まぁ、そうですね。」
「月島くんも頑張ってね!」
「………僕は、まぁ、それなりに。」
そう言うと立ち上がって去ってしまった月島くん。
何しに来たんだ……?
「何してんすか、苗字さん。」
「何。……月島くんについて考えていた。」
「は?月島?」
「うん。」
何か用事でもあったのだろうか。でも彼が遠慮するようにもあんまり思えない、言いたかったことがあったならきっと言ってきただろう。うんうん。
「…よくわかんねぇけど、もう片付け入りますよ。」
「えっ!?あ、ほ、ほんとだ!!」
急いで立ち上がり、潔子さんの元へと急ぐ。
………あれ?影山くんも何しに来たんだ?