いつ起きてるんだ

「…………最悪。」


「まぁ、……ドンマイ?」


「……友達は何になったの?」


「男女混合のリレー。」


「…………良いなぁ、それってあれだよね、何も出ない人全員参加のあれだよね。」


「そうそう、落ちこぼれ達のリレーよ。気が楽。」


「…………はぁ。」


「名前は障害物競走だっけ?」


「そう……こんなチビにハードル飛ばせたり、パン食いとかやらせようとする皆の悪意が凄い……。」


「名前がやったら面白そうだもんね。」


「そう!!こういう奴!!こういう奴がいるからぁ!!」


「あはははは!!」


酷いよ……皆面白がって……掲示係もそうだし、皆私の低身長をいじり過ぎなのでは?そろそろ1回泣いてみるか??





「あれ?影山くん、今日部活は?」


「今日休み。」


「あ、そうなの?珍しいね。」


「オーバーワーク厳禁って事で部活ごと無くされた……。」


しゅん、と落ち込む影山くんは本当にバレー好きだ。凄い。


「じゃあ一緒に帰らない?」


「……あぁ。」


影山くんが鞄を持って立ち上がるのを待って、一緒に教室を出る。


「影山くんは体育祭何に出るの?」


「…………借り物競争だった気がする。」


「借り物競争!?!?」


めっちゃめんどくさいやつ!!なんでよりによって!?


「…………まさか、影山くん。」


影山くん自身が選ぶわけが無い。流石に借り物競争が何をする競技かぐらい知ってるだろうし。


という事は、導き出される答えは1つ。


「………………寝てた。」


「でしょうね!!」


勝手に決められたのね……きっと皆にやにやしてたことだろう。私は障害物競走の事で頭いっぱいすぎて見てなかったなぁ。


「借り物競争だけ?」


影山くんぐらい運動神経良い事で知られてる人なら、もっと競技に出されそうだけど。


「…………あとは……100とか200とかの短距離と、なんかのリレーに入れられてた気がする。」


「うわぁ……適当……。」


「寝起きでなんか色々言われて、なんとか覚えてたのが借り物競争だった。」


酷い話だ……。


「嫌じゃないの?借り物競争。」


「嫌に決まってんだろ。」


は?と言う顔をする影山くんは、いくら美形と言っても怖いと思います。


「で、ですよねぇ……。あれだよね?毎年好きな人、とか書かれてるやつ。」


「……っはぁ!?」


「えぇ!?」


な、なんだい急に大声出して。


「す、好きな人とか……。」


「あ、でも全部に書いてある訳じゃないよ?背の高い人、とか痩せてる人とか、年上の人とか。うちの学校のは、借り物って言うより借り人競走だね。」


昨年は見てて凄く面白かった。好きな人、で連れてきてそのまま告白しちゃったり…………凄く少女漫画的展開で憧れたなぁ。


「…………そんなんだったのか。」


「……去年見てなかったっけ?…………あ。」


「去年もお前の隣で見てたはずだけど。」


「影山くん、寝てたね……。」


寝る子は育つ――!

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