「全部、というと」
ポッターの声が低くなった気がした。約束をやぶったことを怒っているだろう。リースは机に視線を落としながら話し続ける。
「あなたに勉強を教えてもらってることとか、ブラックとたまに話す仲になったこととか。彼女はほかの人に話すような人じゃないわ。だからあなたのことはほかの人には広まらない、けど、約束をやぶってしまったから、」
最後の言葉が出てこなくて少しつまる。
「この勉強会はおしまいで、あなたと私は他人に戻った方がいいわ」
「リースちゃん」
「今までありがとう。そして約束を破ってしまってごめんなさい。私もこのことはブラックやほかの人に言わないわ」
「リースちゃん、」
「また、ね。ポッター」
「ああ...」
カタン、と椅子をずらして席を立つ。最後にふ、と彼の顔を見ると苦しいような悲しいような顔をしていたように見えた。見えて欲しかったという、少しでも惜しんで欲しかったという自分の欲からそう見えただけだ、とリースは言い聞かせて背を向け、逃げるように図書館を出たのだった。
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