まだ名前のない気持ち



次の日までうんうん考えて、結局このことは心に秘めておくことにした。
シリウス・ブラックは逃亡中だしこんなタイムリーな話をしてしまってリーマスの心を追い詰めることになってはいけないし、自分であれば名簿まで調べられたというのは気分が良くはならない。今更古傷を抉る必要も無い。

私と彼はただの先輩後輩であり、今は同僚だ。土足で踏み込んではいけないところである。と結論を出した。

その一方で彼に踏み込んでみたいという気持ちもある。最初に自己紹介した時に見せてくれたあの笑顔は、じんわり胸が暖かくなるような、そんな素敵な笑顔だというのに、満月や過去のことが彼にまとわりつき、影を落とす。

ただ彼の純粋な笑顔が見たい。そんな想いはますます今回のことで膨れ上がった。この気持ちはなんなのか、今はまだ答えを出すにははやい。
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