++SS

▽2017/04/18(Tue)
鷹城恭二とここにおいで
*1stライブねた

「待って、鷹城さん待って」
 練習室でBeitの三人がダンスのレッスンをしていた。そこをたまたま通りかかった私は、彼らにダンスを見て欲しいと頼まれ、片面が鏡張りの部屋の中、彼らのダンスを見ていたわけだけれど。もうめっちゃ無理。無理としか言えない。心臓がばくばくと跳ねてどうしようもなく胸がきゅんきゅんしている。
「腕の中に、居た−!」
 私があまりのきゅんきゅん具合に真っ赤になった顔を隠していると、渡辺さんが最高だったでしょ、と言ったので、私は顔を隠しながら頭をぶんぶんと振った。なんだこの多幸感、あまりに幸せすぎて脳みそが溶けそうだ。
 包み込むように形作った腕に視線を向けた彼の、真っ直ぐな目を思い出すだけでもうああと叫びそうになる。普段不器用そうでこういうことはしないような彼だからこそ映える振りだ。たぶん正式にお披露目したら、その場に居るファンの子全員落ちる。
「こ、これ発案したの誰ですか? 渡辺さん?」
「そうだよ」
「あ、あ、ありがとうございます……!」
 彼の手をがっちりと握る。目を合わせて最高です、その場に居るファンの子全員落ちますこれ、と言うと、恭二だといっそう映えるよね、と彼が返答する。分かっていらっしゃる。
 鷹城さんにも、最高でした、と言う。手を差し出して、ぱちりと目線が合う。その瞬間私は顔を手で押さえつけた。プロデューサ−、耳真っ赤!、と私を茶化すようなピエールさんの声が聞こえる。
「ちがうんです、威力がすごすぎて平常心でいられないんです。鷹城さんのこと嫌いになったわけじゃないので、いやもうほんとこれで会場に居るファンの子全員落としてください!」
 私は半ば言い逃げのようにその場を飛び出した。彼の、プロデューサー、感想……、とぽつり呟いた声が聞こえるけれど、今は気が気では無いので無理だ。



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