++SS

▽2017/05/07(Sun)
渡辺みのりと同棲
 外では渡辺さん、家の中ではみのりさん。彼もまた外では私のことを名字で呼ぶけれど、家の中では下の名前で呼ぶ。
「ただいまー」
「おかえり」
 今日は彼の方が帰宅が早かったらしい。何か料理をする良いにおいがする。私は上着を掛けながら、今日の晩ご飯は−?、と彼に問う。
「メインはタンドリーチキン。付け合わせにナムルとじゃがいも、あとは卵スープかな」
「やった、豪華だ」
 飛び跳ねそうなほどに喜ぶ私に、彼は口元を綻ばせて、疲れただろうしもう着替えなよ、と微笑んで目を細めながら言う。
 ラフな格好に着替え終え、彼の料理をする姿を観察する。エプロンがとても似合う。上機嫌に今回出したシングルの曲を歌う彼の姿に、なんか新妻みたい、と声を漏らせば奥さんは君でしょ、とのツッコミが入った。
「ほら、暇なら出来たお皿から運んで」
「はーい」
 タンドリーチキンのスパイシーないいにおいがする。それに思わず手が伸びそうになるけれど我慢我慢。どちらの更に乗っているお肉の量が多いとか、そういうのは無いはずだけれどやっぱり考えてしまう。少しの間悩んだ結果、彼には肉が付いて欲しいので、なんとなく目算で多そうな方を彼のランチョンマットの上に置いた。スープも、と言われキッチンに向かう。幸せだ。


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