++SS

▽2022/04/03(Sun)
/虎杖悠仁




「虎杖くんって童貞?」

 ベッドに背もたれして漫画をぺらぺらとめくっていた虎杖が盛大に噎せた。大丈夫?、と心配そうに#名字#は尋ねるが、大丈夫も何も全ての原因は彼女にある。#名前#さんが聞いてくるからじゃん!、と虎杖が反論した。

「ごめん、私は処女じゃないや」
「俺何も言ってないよ!」
「態度で分かるよ、態度で」

 #名字#はスマホを下にスクロールしながら、慌てふためく虎杖の姿を横目で視認する。
 #名字#は高専に所属する呪術師だ。この門をくぐり卒業をしたのはもう何年か前のことになる。この狭い呪術師の界隈で恋人を作れば嫌が応にも噂されあることないことを吹聴されるような狭い世界だ。#名字#は今まで呪術師の人間とはそういった関係を持つことはなかったし、これからも関係を持つことはないだろうと思っていたが、この虎杖悠仁という底抜けに明るい善人には負けた。完敗したと言った方が正しいのか、ともかくゴリ押しに次ぐゴリ押しのアピールにより#名字#が折れたのである。
 元々高専の一角を間借りする#名字#だ。同じく構内の寮で暮らす年下の恋人と会う機会は山ほどあるかと思ったが、高専が東京都内だとは思えないほど面積があることと、彼も平日はごく一般の学生のような生活をしていることから中々機会が無いものだった。
 虎杖は視線をおろおろと揺らしている。随分と気まずいようだが、#名字#が慌てて訂正をする。

「ごめん、そういうことしたいとかそういうわけでなく……」
「俺、男として見られてない……?」
「私虎杖くんに手出すと法的にやばいから……」

 虎杖はしっかりとした体躯をしているため体だけ見れば成人した男だが、そのまだ幼さが残る顔を見れば分かるとおり、未成年で高校に在籍している学生なのである。

「例えばね、虎杖くんが成人して私とじゃなくても付き合った人とセックスすることになるとするでしょ?」
「#名前#さんこれ昼間にして大丈夫な話?」
「真剣な話だから大丈夫。その時に虎杖くんは優しいし理性あるから止められると思うけど、相手から拒否されて抵抗されたときに、それがどの程度の力でされるものなのか体験した方がいいんじゃないかなって思うの。女性と男性の力って違うでしょう。さらに虎杖くんって普通の男性より力あると思うし。抵抗されても女性の力がどれぐらいか分からないとそれが抵抗だって分からないから」




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