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▽2022/04/03(Sun)
才覚/キバナ

 
 それを天賦の才と言わず何と言うのか。
 何万という観客が四方を囲むスタジアムの中央、そこに臆すことなく立つことができる人間がどれほどいるのだろう。常人ならば自身に浴びせられる歓声のその大きさに、全ての目が自身を見つめているという事実に身がすくむだろう。更にこの場で場の空気に気圧されることなくパートナーと戦うことがどれほど難しいことか。多くのジムチャレンジャーが、このスタジアムで冷静を欠く姿は幾度となく見てきた。それ故に言われるのだ。この舞台に立つことができる者は選ばれた者だけである、と。
 砂塵が晴れる。焦げ茶色の髪の毛は突風に遊ばれ乱れている。強い眼光、華奢な体とは裏腹に地面にしかと着いた足、口角を上げた薄い唇に、背中がゾクゾクと粟立つ。
 ジュラルドン戦闘不能、よって勝者#名前#。審判がそう言うと、会場が割れんばかりの歓声でいっぱいになる。
 6年目の防衛戦でも彼女の強さは衰えることがまるでない。#名前#は彼女用にカスタマイズされたマントを翻し、通例の通り握手を求める。公式戦でも野良試合であっても決して手を抜かない。無敗を誇るチャンピオン。その気鋭と周囲への影響はダンデに迫るほとだ。

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