げんなりした顔で鷹尾さんは文句を言いながら、新作の棚へと移動した。新作はアクションが多めのようだった。僕は興味がなかったが、鷹尾さんに付き合うために仕方なく棚の前に立った。
「僕は……鷹尾さんのメンタルを強めるためにと思って……」
「だとしても嫌がらせの域だっつーの!」
鷹尾さんは新作のアクション映画の中から数本選ぶと、サスペンスエリアへと移動した。ここは僕も楽しめそうだ。まだ見た事ない作品を探しつつ、僕は鷹尾さんが何を選ぶか盗み見ていた。
——手に取ったのは、僕がよく見る鬱映画だった。
「……それ」
「ん? 面白そうだな! 借りてみるか」
「……いいですね。借りましょう。そして一緒に見ましょう」
そのことを教えるか迷った末、僕は教えないことにした。
終