いたずら


 

※双子主につき、名字欄に双子兄、名前欄に双子妹の名前を入力し変換してください


わたくし、四年ろ組風間なまえはどちらかというと派手な性格ではなくあまり目立たない方なのです。まあ兄のみょうじといると、「いたずら好きの入れ替わりの達人」と言われるので目立ちますが…

キャラが濃く目立っていると評判のある四年生の中で、私は三木エ門と同じクラスなわけだが、三木エ門にはもう慣れました。今となっては三木エ門も滝夜叉丸も、愛用の武器を愛でるところは可愛いと思える。タカ丸さんはまあ他に比べたらまだ普通だしね。

そして私がいまだ苦手な人物がいる。それが…


「どこに向かって話してるか知らないけど」
「あ、綾部くん!」
「そこ危ないよ」
「え、うああぁっ!?」
「おやまあ」


ドシャーンと音を立てて私は綾部が掘った落とし穴に落ちてしまった。
この学園で保健委員に入ってからというもの、さらに不運になった気がするのは気のせいか否か。

私はよく彼のトラップにひっかかっていた。そのせいか、いつの間にか綾部が苦手になり、今ではくん付けで距離を置くようになってしまった。


「はあ………やっぱり綾部くん嫌い…!こんなに穴掘って、そんなに私が嫌いですか!」


幸今回落ちた穴はそこまで深くなかったのでよじ登れば脱出できた。穴から半分出てきっと綾部を睨みつければ、あの間抜け面でじっと見つめられる。


「嫌いじゃないよ」
「じゃ、じゃあなんでこんなにも沢山!」
「たまたまなまえがよく落ちるだけ」
「いや、私がよく通る道にいっぱいあるもん!!絶対わざとだ!」


それもたまたま、と言われ腹がたつ。きーっと唸ってから穴から完全に出て、綾部に舌を出して「嫌い!」と言い放ちその場を去ろうとした。


「だから僕は嫌いじゃないのに」
「な、何言ってるの…!」
「本当、好きな子に嫌い嫌い言われるし名前で呼んでもらえないし」
「は」
「僕こそ不運だよ」


綾部は何を言ってるんだ。理解ができない。私は、もしかしたら私じゃない人に言ってるかもしれないと思ったけども、背中に感じる視線から綾部は私に言ってる事が分かる。なんで綾部がこんな事を、私に、


「冗談は、止めてよ綾部くん」


背を向けたまま、なるべく彼を意識しないように静かに言った。


「綾部くんじゃなくて、喜八郎て呼んでよ」
「やだ。綾部」
「名前がいい」
「…喜八郎くん」
「くんいらない」
「……喜八郎」
「なまえ」


淡々と続いた後に名前を呼ばれる。それは今まで聞いた事がない、愛おしむような呼び方で私は顔にとんでもない熱を帯びていた。綾部が近づいてくる。私は振り向かわざるをえず、ゆっくりと綾部をみた。


「僕、好きな子はいじめたくなる性で」
「…うん」
「だからなまえがよく通る道に、いつもより多めにしかけちゃったんだ」
「………る」
「え?」


それなら、穴を埋める

そう言うと綾部はくすりと笑った。


「なまえが埋めてくれると思うと余計やる気出ちゃうよ」
「これは保健委員としても見逃せないしね。喜八郎が私にとって危険人物なのに変わりはないから!!」


びしっと指はして言ってやった。
そして潔くその場を去る私。
何気に名前で呼んでしまったけど、後で何かと話に持ち出されませんようにと願いつつ、穴を埋める為用具委員会に道具を借りるべく、私は用具委員会を目指した。



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mokuji / clegateau