付き合ってるのに片思い(100321 一部修正) 私には彼氏がいる。 鬼道有人。昔、私から告白したもののフラれてしまい、中2の春に有人から告白をされ、付き合う事になった。 でも、彼は勉強やら部活やらで忙しく、あまりメールをする機会もなければクラスが違うという不運な事に話す機会さえもなかった。 「なんか、付き合ってるのに片思いみたい…」 友達にそうぼやくと、バレンタインデーで一発チョコレートをあげればいいのよ!と私の背中をポンと押した。で、でも最近話してないし渡すのは気まずいよ、と半泣き状態で友達に言うと「頑張らないと、付き合っていても他にカワイイコに告白されてその子と付き合っちゃうかもよ?」と脅される。泣きながら絶対チョコレートを渡す事を約束し、私は家に帰ってチョコレートを作った。 「…男の子に人気なのはトリュフチョコか…それならトリュフチョコ作ろうっと!」 有人の口にあうか分からないけど、とりあえずビターチョコレートを使って失敗さえしなければしなないはずよね、うん。だって私、お米を洗剤で洗おうと考えるほどバカじゃないし、洗剤使わない事なんて常識だから…つ、つまりは料理で変な失敗はしないって事! 翌日、友達に連れられ直接有人に渡す事になった。(しかも制服のまま有人ん家に押しかける、となんとも大胆な。)こんなにバレンタインデーが休みと重なった事を怨んだ事はないかもしれない。 「よ、よし…」 慎重にチャイムのボタンに手をのばしたときに、友達が勢いあまって私より先にチャイムを鳴らしてしまった。 「あー!ちょ、何やってんの!!」 「ごめん、つい…あはは」 「あはは、じゃなくて!」 「…誰かいるのか?」 チャイムの前で騒いでいたのを聞き付けたのか、 当の本人 有人が現れた。それも、サッカー部のユニフォームを着て。 ゴーグルのせいで彼の表情は全く分からない。でも、口元を見るかぎり怒っていないようなので安心した。 「ほら、なまえいってきな!」 一緒についてきた友達は私に隠れながら、有人に見つからずに後退りをして離れる。私は制服のポケットに入ったチョコレートを出して、有に差し出した。 「急に来てごめん!その、大分遅れちゃったけどバレンタインのチョコレート渡したくて…」 作り直しを繰り返し、バレンタインデーから3日もたってしまった。もう遅いかもしれないし、有人は他の女の子達からいつものようにチョコレートをたくさんもらってるハズ。チョコレートも食べ飽きてるのに私は渡していいのかな、と不安になって言葉が喉につっかえて出なくなってしまった。黙ってちゃダメだよ…言わなきゃ、 そう思った時に私の手元からチョコレートがふっと消えた。驚いて目の前を見てみれば有人がチョコレートを持っていて、リボンをほどいてチョコレートを一つ、食べた。 「ゆ、有人…?」 「…うまい」 「え?」 「うまい、と言ったんだ。 ありがとう、なまえ」 付き合ってるのに片思い (明日からまた学校頑張らなくちゃー!) mokuji / clegateau |