芽生えた恋心


 

「風丸!」

「っあ!」


なまえからボールをヘディングで受け取ろうとした風丸が声をあげた。その瞬間、ウェーブのかかった水色の美しい髪が垂れ、風に撫でられる。
どうやら、ボールがヘアゴムを切ってしまったようだ。

風丸がなまえに声をかけ、ベンチにおいてあるカバンに駆け寄る。確か予備のヘアゴムがあったハズだ、と思い探す風丸だったが、見当たらなかったらしく、髪を垂らしたまま戻ってきた。


「あれ、風丸、ヘアゴムは?」

「あぁ、なかったんだ。…まぁ、たまには髪をおろしているのも悪くないな。」

「…風丸!」


苦笑いした風丸に、なまえが何かを投げた。急に投げられた風丸は慌ててそれを受け取る。風丸の掌には、黒いヘアゴムがあった。
なまえを見ると、なまえは別のヘアゴムで髪を束ねなおし、その上から黒いシュシュをしていた。


「…いいのか?なまえ…」

「うん。私にはヘアゴムあったからさ。これからは、お揃いだね!」


にっこり笑うなまえを見て、風丸は胸が高鳴った。



芽生えた恋心
(なぁなまえ、俺……)



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mokuji / clegateau