「そう?どこらへんが?」
「私みたいなぽんこつを付き人にするところとか」
「あぁ、たしかにね」
「え?なんかちょっと傷つきましたよ?」
「いや、だって念も知らなかった君を1から育てるなんて面倒なこと…あのときの俺どうかしてたと思う」
「あの時のイルミ様がどうかしてて本当に良かった」
「君は俺の付き人で良かったの?」
「もちろんです!」
「ふーん。じゃあ逆に俺の付き人になってから何か不満はなかった?」
「んー…ないですね」
「えーつまんない」
「すみません…」
「なんかないの」
「んーと、あ!イルミ様が壊したフィギュアの憂さ晴らしにってミルキ様にメイド服を着せられました!」
「それいつの話?」
「先週のイルミ様がお仕事いってた日ですね」
「ふーん…」
「どうかしましたか?」
「あとで清掃業者呼んでおいて」
「え、あ、はい。でもまたなんで…」
「いや、弟(ミルキ)の部屋の人形を全部消そうと思って」
「え!!そんな、イルミ様…」
「大丈夫。今度は君に被害がでないようにするから」
「ありがとうございます(?)でも、なにも業者まで呼ばなくても」
「自分の手を汚したくないからね。あいつ絶対に変な触り方してるし」
「変な触り方?」
「舐めたりとか」
「……ミルキ様って本当にイルミ様の弟なんですか?」
「そうだよ。まぁ俺もゲームとかは割りと好きだし」
「い、いかがわしいのもやるんですか?」
「なにそれ、やらないよ。ミルキと違ってリアルでヤれるし」
「あぁー…イルミ様も人間でしたね」
「なにその安心しきった顔。少しは恥じたりとかできないの?」
「だって、イルミ様にも人並みに性欲があったなんて…!」
「なんかムカつく」
「ヒィ」
「冗談だよ、ちんちくりん」
「うぅ、イルミさんの意地悪!色男!キューティクル!」
「なにいってるの」
「男性でありながら髪さらさらだなんて妬けます」
「妬かなくたって君も十分サラサラな方じゃない?少しくせっ毛だけ、どっ」
「わっ、なんですか!重いですよイルミさん!全体重を込めた手で頭を押さえ込まないでくださいぃいいいたたたた!!」
「いや、すごくちょうどいい位置にあるからさ。君の頭」
「そんな理由で…!?しかも遠回しにチビって言いましたね!!」
「まぁチビだしね」
「酷いですイルミさんっ!略してヒドイルミさん!」
「針刺すよ」
「ごめんなさい!!」
「でもよく考えてみなよ。君がもし俺より背が高かったら…」
「んー、それは………愉快ですね!」
「俺はすごく不愉快だ。つまり君は俺に会うたびに嫌がらせをされることになる」
「なんですって!?」
「だから小さいままでいいよ。俺が触りやすい位置にいて」
「あーえっと、はい」
あれ?
それってどちらにしても嫌がらせされるのでは!?