相澤に媚薬を盛る
「おい。何を入れた」今にも刺しそうな程強い眼光を向けられて、ひっと息を飲んだ。答えなきゃ。答えなきゃ確実に殺られる。早く言えと言わんばかりの相澤の視線に怯えながらおずおずと口を割った。
「……え、えーっと…マイクに、渡された媚薬を少々…」
「そうか」
そうか、って。それだけ?てっきり怒鳴られると思っていた私は、ぱっと顔を上げて思わず目を見開いた。なんと彼は、媚薬入りだと伝えたそれを一気に飲み干し、勢いそのままグラスをテーブルにドンっと置いたのだ。
「はっ……え?あ、あの、相澤さん?何して…」
「どうなるかわかった上で飲ませたんだろ」
ぐいっと口の端に溢れた液体を甲で拭う。わずかに赤く染まった頬、少し潤みながらも鋭さが消えない眼差し。普段滅多に見ることのない恋人の姿にごくりと唾を飲んだ。
「覚悟はできてんだろうな」
伸びてきた腕に囚われ、耳元に熱い息を感じた瞬間、腹の奥がきゅんと鳴いた。
2018/09/16 MHA