私のセンタク
「今日はどうしたの?」
「やっと来たな!」
答えになってない、なんて不毛な言葉は返さない。半年の間に月永レオには詳しくなったのが原因。
「いつもと同じ時間に来たつもりなんだけど?」
「そうか。今日はおまえにプレゼントがあって朝からソワソワしてたんだ。」
「その割には静かじゃん。」
「き、きんちょーしてるんだ!」
そんな大きな声出さなくても、と思うけど月永レオがそれ程までに緊張するプレゼントってなんだろう。
「これ。おまえのシロにやる。」
そう言って重たそうな一冊のファイルを渡された。やっぱりずっしりと重かった。
「見ていい?」
「あぁ。」
表紙を開くとRegenerateとデカデカと書いてありそれを捲ると楽譜が姿を現した。題名を付けられなかったのか、面倒だったのかはわからないけど番号が振られていた。1から順に楽譜に目を通した。気付いたら最後の楽譜も終わっていた。番号を確認すると21となっていた。
今日は私の21歳の誕生日。きっとそんなこと知らないだろうけどこれは運命だ。
「どうだった?」
「ステキだった。嬉しい。最高のプレゼントだよ。」
「そうか!よかった。……おれがおまえを生き返らせてやる!……どうだ?おれはおまえをシロを探し出せたか?」
あぁ表題にそんな意味があったのか。
「十分だよ。ありがとう。本当にありがとう。」
歌っていい?と聞けばもちろんだと。いつもは歌詞は書かないくせに21曲全てに歌詞がある。
真夜中の静かの公園に私の、シロの歌声が響く。ここが住宅街から外れた周りに何もない山の中の公園で良かったとはその時は思わなかった。が、1年ぶりに気持ち良く歌えた。声が出ると嬉しかった。
辺りは段々と明るくなり始めた頃やっと全て歌い終わった。疲れは不思議と無かった。
「どうだった?」
次は私がそう聞いた。月永レオは首を大きく何度も縦に振った。そんなに頷いたら首おかしくなるんじゃないのだろうかと心配になるほど。
「よかったぞ!スオ〜の言葉をかりるとマーベラスだな!」
今度は両手を両手で包まれてぶんぶんと振られた。もげそうなくらい力強い。華奢に見えるのにどんこにそんな力があったんだ。
「月永レオに喜んでもらえて良かった。」
「おれの曲とおまえの歌声があれば最強だな!打倒Knightsでも結成するか?」
「月永レオもKnightsでしょ?どうするのよ、それ。」
「だいじょうぶだ!むかしKnight Killersていう臨時ユニットを組んだことがある!」
「その時とは状況が違うでしょ?それに私にKnightsを倒す理由なんて無いから。」
それもそうかと言って一人納得したようだった。
「シロはその曲で戻ってこれるか?シロの帰りを待つファンのところに。」
「この曲で?」
「そうだ。」
「贅沢だね。」
だろと鼻高く自慢していた。王さまの曲を21曲も歌えるなんてKnights以外シロだけだ、って。