Tuesday
「おはようなぎさちゃん。お待たせしてごめんね。」
「おはようございます、#鳴上#さん。まだ15分前ですよ。」
「いくら15分前だと言っても女の子を待たせるなんて男としてないわ。」
では女の子を待たせた罰でバケツいっぱいにシーグラスを一緒に拾いましょと彼女は優しく微笑んで砂浜へ向かった。今日の彼女は白のもこもこパーカーにスキニージーンズ、少し砂汚れがある白のスニーカーでこれまたシンプルだった。髪の毛は下の方で一つにまとめていた。
「どんな形でも大きさでも色でも拾ってこのバケツに入れてください。バケツは一つなのでここに置いておきますね。」
そう言うとなぎさちゃんはしゃがみ次々にシーグラスを拾っていく。その姿はキラキラと輝いていてせっかくの機会だからお話しようと思っていたけど話しかけられなかった。仕方ないわ、アタシも拾いましょ。
しばらくするとバケツの中はいっぱいになっていた。これをなぎさちゃんが持とうとしたものだから少し揉め合いになっちゃった。それにしてもかなりどっしりと重いわね。こんなに重い物を華奢な体のどこに力があるのかしら。なぎさちゃんは見てて飽きない不思議な子だわ。
「工房の中少し散らかってるのであまり見ないでくださいね。そのバケツは手前の机に置いておいてください。」
散らかっている、なんて言葉には似ても似つかないほど綺麗に整理整頓されてホコリも見当たらない工房内。オシャレなカフェみたいな内装は都内にありそうだった。
「鳴上さん?どうかされましたか?」
「いいえ。とても素敵な所ね。カフェみたね。」
「本当ですか!頑張った甲斐があります。」
「あら。なぎさちゃんが内装を考えたの?」
「はい!あと、友達にも手伝ってもらってDIYって言うんですかね。内装は自分たちの手作りなんです。」
「すごいわ!物作りがすきなのかしら?丁寧な造りでずっと居たいわ。」
「なら、もう一つお手伝いお願いしてもいいですか?」
すっかり扱き使われていなかしらアタシ。でも彼女とお話したいし、それになぜか嫌な気はしないわね。もちろんよと返事をすればすごく助かりますと太陽みたいに眩しい笑顔に少しだけゾクりとした。