05.現実に笑われる


やあ、こんにちは。

アメリカでの生活はとても充実してて楽しかった。そりゃあ最初の頃は英語とか苦労したけど、友人もたくさん出来たし、運動神経も良かったから体格差で舐められることもなく、本当に楽しかった。アメリカ最高。自由の国万歳。
ついでに銃の免許もとった(何故だ)。友人が射撃大好き人間で、それに誘われて射撃に付き合ってるうちに私がのめり込みました。だって初めての体験だよ?銃だよ、銃。触るのも見るのも初めて。怖いけど興奮したわ、怖いけど。でもかっこいいなと言う憧れが勝って、自分のような一般ピーポーでもまあまあ撃てるのが分かったからめっちゃ楽しかった。いつの間にか誘ってきた友人よりも上達しちゃって白目で睨まれたけどねっ!……銃なんて生活してるうち絶対使わないけどな……しかも日本で……何の役に立つんだよ……。

そうこうして2年と半年がすぎ(早い)、今日本日私は日本に帰国しているわけなのですが。

正直言っていいですか。

やべえ、無人島行きてえ。


中2の9月から高1とアメリカで過ごした私は、ようやく日本に帰ることを決意。理由は撮影が終わってもアメリカでバカンスしてた母がアメリカに飽きたからである。
アメリカさよなら、銃よさようなら、日本では味わえない非現実な世界を楽しませてくれてありがとう。もうこの手に銃を握ることはないだろうけど……なんてかっこ良くアメリカを去り高2から日本の高校に編入。手続きは全部両親がやってくれたため深く気にしたことはなかったけど、帝丹高校って、アレやん。フラグ。

いやでもまさか〜と教室に入るとカチューシャ女子とめちゃくちゃ美女とめちゃくちゃイケメンを発見。

あ、これ詰んだ。

しかも高2ってことは今年原作やないかーい!!!


心の叫びは誰にも聞こえることはなかった。
めでたしめでたし(白目)じゃねえええ!!!



かくして私の人生奮闘記が始まった。初っ端からしんどい。


帝丹高校は小中高大の一貫校で、私立高校。偏差値は引くほど高いが(なんせ名探偵が生まれるくらいだし)、その一方である程度の成績さえ確保すれば小学校から高校まではエスカレーターらしい。
つまり、新学期でクラス替えをしているとはいえ、クラスメイトの殆どが顔見知りというのが帝丹高校の実態である。もちろん中学や高校から外部入試として編入する人たちもいるだろうが、それにしても珍しいらしい。
それも、高校入試ではなくアメリカの高校から推薦で高2から編入すると言うのは、まさに人の目を引くことだ。しかも噂というのは怖いもので、既に大半の生徒がその事実を知っている。
そう、私はこの帝丹高校で早くも注目の的なのである。


「アメリカにはどれくらいいた?」
「英語ペラペラなんだ!」
「どうしてうちに来たの?」

「あ、あはは〜」


はいはいはいはい質問ねはいはい。印象悪くするのは控えたいけど答えんの面倒くせえなあ〜(ゲス)と、思ってたら女神がやってきた。


「宮瀬さん、先生が呼んでるって」
「本当?ありがとう」
「私、毛利蘭よ。職員室まで案内するね」


と、言っても私にとってはまさに地獄の扉だった訳だけどもォ!!早速主要キャラと接触とかフラグ!!


「ありがとう、でも職員室の場所は分かるから大丈夫だよ」
「……ごめんなさい、それ嘘なの。宮瀬さん困ってそうだったから……それに、私も宮瀬さんとお友達になりたくて…余計なお世話だったよね」


惚れた。