06.思考錯誤



やあ、こんにちは。(2回目)

この世界のヒロインが可愛すぎて惚れてしまった優美です。やられた。あの天使な笑顔にやられた。大体高校生で「お友達になりたくて」って純粋すぎんだろ!!私が高校生だった時は友人と下ネタばっか言ってた。どこで間違えたんだ。

とは言ってもお友達になることは出来ない。悪いけど、今まで血反吐しながら(比喩ではない)事件ホイホイに1μmm足りとも関わるまいとしてきた努力は無駄にしたくない。私はアメリカに行く前の中学生のときのように、いやあの時は思わぬ失態の積み重ねでかなり目立ったのだから、それよりも@ひっそりとA黙ってB普通に生きなきゃならない。

と、言うことなのだが。


「校舎案内するよ?」
「良かったらお昼一緒に食べない?」
「次体育だって。着替えよ?」


………。
…うーん……。


「ねえ、アンタ勉強出来るんだって?ちょっと教えなさいよ」
「蘭ー、ちょっと宮瀬ちゃんあんたの旦那より頭いいんだけど」
「なーによ、私だって暇潰しにアンタといるわけじゃないわよ」


なんで!?なんでなんでなんで!?!?
ちょっと意味が分からないんだけど!!!

どうしてこうなったんだ!!

私が暇つぶしにひたすら本読んてるとき、誰にも誘われずお昼ご飯を食べてるとき、誰にも誘われず移動教室に行くとき、彼女たちは見計らって声をかけてくれたようだった。と、いうか鈴木財閥のお嬢様にいたっては勉強を教えている。
……あれこれぼっちな私に気を遣ってるだけじゃない?ひとりで考えて虚しくなった。やめ。

いや、というか気を遣ってるだけなら丁重に断っていれば私も好きでひとりなのが分かるだろうと思ったのに。
思ってたより鋼の根性だったよ二人とも!

どうしますか?脳内会議が始まる。

まだ準レギュラーにはなってない(はず)だから、もしかしたら間に合うかもよ!
いやいや既に知り合っちゃったんだから逆に中途半端な立ち位置にいたらそれこそ死亡フラグビンビンだよ。
幸い主人公が未だに"工藤新一"だ。確か薬飲んで小学生になるんだよね?
うん、本格的に彼が"江戸川コナン"になる前にこの立ち位置を何とかしなければならない。どうする?やっぱり私のいう通り今からレギュラー的立ち位置になるか?
……むっりー!そもそも死ぬ死なないの前に殺人現場に鉢合わせたくねーッ!そもそもの壁が厚すぎるッ!!


「……」


結論出ねー!!!難しい、難しいよこの世界!どの選択肢選んでもバッドエンド(死)しか思い浮かばないよ!無理ゲーにも程があるよ!せめて 逃げる の選択肢が欲しかったよ!!

逃げる……逃げる??


「おかーさん!私アメリカ戻りたい」
「金銭が湯水のように出ると思うなよ」
「ウィッス」


そうだった。今まで習い事の中でも特に金がかかる格闘技を5本もやらせてくれて、しかも超名門"私"立帝丹高校に通わせて頂いてるのだ。しかもこの2年は学費が世界一高いかもしれないと言われるアメリカでの生活。逃げる は死んだ。

と、言うことで今ではすっかりだらだらとヒロインらと微妙な関係が出来上がっている。一番死にやすいポジションである。詰んでる。

唯一不幸中の幸いと言えば、未だ私は一度たりとも主人公と接触していない点であろう。彼は相当探偵として活動しているらしく、滅多に学校にいない。連日新聞やテレビで「日本警察の救世主」とか言って持て囃されてるから、顔はいつも見てるようなもんだけどな。


帰り道はいつも一人だ。そりゃあ、あの鉄壁の心たちにやれカフェ行こうだとか一緒に帰ろうだとか誘われたりはするが、学校外で関わるなんてそれこそ自殺行為だ。まだ校内のみの関わりしかないから私は生き長らえているのだと私は確信している。

父親が医者、母親が女優、しかも人生経験は二十数年分+実年齢分。人生イージーモードかと思ったけど、世界が違うだけでこうもハードモードになるものかね。

あ〜あ、無人島行きたい。