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「......よし。胸の音も随分と落ち着いて来ている。咳はこのまま次第に治まると思うけれど、数日間は安静にね。あとは今日処方した薬も飲みきるように。......念のため、また5日後に様子を診に来るよ。」

聴診器を外しながら診療録に『喘鳴無し、経過観察』と書き足す。
付き添っていたシスターソフィアに向き直り、現状と共に再診の旨を伝えると彼女はほっとした様子で息をついた。

「先生、ありがとうございます。随分と咳が長引いている様でしたから、何か大変な病気や流行り病ではないかと心配をしていたんです。」

「それに関しては心配要りませんよ。ジュリオの病態は喘息によるもので他者に移るものではありませんから。」
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