七夕




「やべー!なにこの笹!りっくんがもらってきたん?」
「そう!ナギと一緒にお願いしたら、どうぞ!って!」


アイナナ寮に笹が来た。
リクとナギが持って帰ってきた笹と、それから沢山の折り紙。聞くところによれば番組のセットとして用意されていたこの笹は、収録後破棄される予定だったらしい。
それを聞いたリクとナギがスタッフに持って帰っていいかと尋ねたところ、快くOKをもらったのだとか。


「七夕とかテンションあがるよな。天の川見えっかな?」
「環くんは星が好きだもんね」
「今日はやや曇ってますから、見れたらラッキー。と言ったところでしょうか」


淡々と言うイチにタマが、いおりんどうにかして。なんて言っているが、イチは無理に決まってるでしょう。と目を細めた。


「俺、七夕の飾り作るの超得意」
「えー!環すごい!折り紙沢山あるから作って!」
「いーよ。施設で毎年作ってたから、まじプロだし」


みんな短冊に書くお願い考えといてな。
そう言って黙々と折り紙で飾りを作り始めたタマの横で、ソウが折り紙に何やら描いていたけれど見なかったことにしようと思う。





「お願いか〜。お兄さんは毎日ビールが飲めますように。だな」
「おいおっさん。そんなことしてっとあっという間に腹出てくるぞ」
「ワタシは決まってます!ここなが次元の壁を越えて、ワタシに会いに来てくれますように」
「今世紀では到底無理そうなお願いですね」


和泉兄弟の辛辣なコメントを右から左に流しながら、タマが作ってくれた短冊にお願いを書いていく俺とナギ。考えると意外とお願いは出てくるもので、7人で書いたとは思えない量の短冊と、タマに教えてもらってみんなで作った飾りが出来上がった。


「Oh!沢山の飾りができましたね!」
「環いろんなの知ってるんだなー!」
「ふふん。プロっつったろ」


ドヤ顔で鼻を鳴らすタマに、みんながすごいすごい!と賛辞を送る中、リクがあることに気が付いた。


「環、短冊書かないの?」
「え?あー…あとで書く」
「どうせ四葉さんのお願いは、王様プリンが沢山食べられますように。とか、テストでいい点取れますように。でしょう」
「なっ!決めつけんなし!」


口を尖らせたタマに、はいはいすみません。と肩を竦めるイチと入れ替わって俺はタマの隣に腰を下ろす。


「なんだ〜?タマはみんなに知られたくないこと書く気か〜?」
「べっ、別にいいじゃんか!つーかヤマさん酒くせぇ!」


あっちいけ〜!と俺をぐいぐいと押すタマの言葉に、そう言えば今飲んでるこの缶は何本目だったっけ。なんてぼーっと考える。まぁ、明日はオフだしいいだろう。


「タマは青春してるな〜!」
「だっ!だからそんなんじゃねぇって!もー!!みっきー!!ヤマさん酔っ払っててうざい!」


助けて〜!とミツに助けを求めるタマの短冊は、笹の1番高いところに飾られ、翌朝にはご丁寧に回収されていた。
なんで書いてあったかはわからないけど、多分片瀬ちゃん絡みなことだろうな。なんて、二日酔いの頭でも簡単にわかってしまったのだった。



back


novel top/site top