かき氷




※本編19話付近の関係性の2人





「なあなあ、ななみん!かき氷食べよ!」


スタジオに作られたお祭りのセットでの撮影が終わり、屋台で好きなものを食べていいよとスタッフに声をかけられた瞬間、IDOLiSH7のみんながそれぞれ自分の好きな屋台へ足を向ける中、環くんが私の元へ来てそう言った。

「私はいただけないの」
「えー!!ちょっとくらいいいじゃんか!」
「ありがとう。お気持ちだけ受け取っておくね」

口を尖らせてしまった環くんの頭を撫でれば、環くんはひらめきプリン!と呟いた後、かき氷の屋台へと駆けて行った。
そしてかき氷を大量に抱えた環くんは、それをスタッフ一人一人に配り始めた。戸惑いながらも環くんの、冷てーから早く取って!という言葉に受け取るスタッフ達。
そして最後私の元にやってきた環くんは、ん!と私にもかき氷を手渡してきた。


「みんなで食えばいいじゃんな」


環くんの言葉に、そうだ!みんなで食べましょ!と陸くんもたこ焼きを配り始め、スタッフも彼らと一緒に時間が許す限りお祭り気分を味わうことになった。






「ななみんはかき氷、何味が好き?俺は、王様プリンのやつ」
「あれ美味しいよね!お祭りに無いのが残念」

それな〜。と言いながらイチゴ味のかき氷を食べ始めた環くん。私は先ほど環くんから手渡されたブルーハワイのかき氷を口に運んだ。
時折、キーンってきた!!と騒ぎながらもあっという間に2杯を平らげた環くんは突然、ウケる!と笑い出した。

「ななみん、べろ青くなってる」
「えっ?あぁ、かき氷食べるとなっちゃうよね」

恥ずかしいから見ないで。と口元を手で隠せば、なぁなぁ!俺は?と舌をべーと出してくる環くんに、今度は私が笑う番だった。

「環くんの、イチゴ味でピンクだから全然わかんない」
「あっ、そっか」

つまんねー。と言いながら私の持っていたかき氷に目線を落とした環くんに、いる?と一口分掬って差し出せば、いる!とスプーンを咥えた環くん。

「うまー。どう?青くなった?」
「さすがに一口じゃならないね」
「んじゃ、もっとちょうだい」

そう言って口を開けた環くんの口にスプーンを運ぶ。
どう?まだ。じゃあもっと。それを何度か繰り返していると、二階堂さんがやってきた。

「何やってんだ?」
「あっ、ヤマさん!どう?俺のべろ青くなってる?」
「おー、なってるなってる」

二階堂さんの言葉に、よっしゃ!と言った後、最後もう一口ちょうだい!と口を開けた環くんの舌は、確かに青くなっていた。
これでお揃いだ。と笑っている環くんに、そうだね。と返しながら、まだ半分以上あるかき氷を崩し私は今度は自分の口に運ぶ。
それを二階堂さんが何か言いたげな見つめていた。

「なんですか?」
「あーいや。別に今更気にするほどでも無いし、お兄さん的には大した事では無いんだけど」

そう言ってラムネを飲んでる環くんをチラリと見て、口角をあげた二階堂さん。

「タマと間接キスだなーって」
「間接キス?」
「ぶっ!!ごほっ!げほっ!!いってぇ!!ラムネ鼻に入った!!!」

急にむせたてしゃがみ込んだ環くんに、大丈夫?!とタオルを渡せば、環くんは顔を耳まで真っ赤にしながら、1人笑っている二階堂さんを睨んでいた。

「ヤマさん!まじ!変なこと言うな!」
「いやー、そんくらいで赤くなってるようじゃタマもまだまだだな」
「なっ!別に!むせたから赤くなってるだけだし!あー!もー!ヤマさんのせいで最悪だ!バーカバーカ!!」

そう言って屋台の方へ駆けて行った環くんの後ろ姿を見ながら、私は再びスプーンを口に運ぶ。
横から二階堂さんの視線を感じて、食べますか?と環くんにした時のように一口掬って差し出せば、ため息をつかれた。

「タマも大変だ」
「鼻痛いって言ってましたもんね」
「いや、それじゃなくて」

まぁ、いっか。とスプーンに口をつけようとした二階堂さんの顔面目掛けて、スイカを模したビーチボールが飛んできて、彼の頬にバチーン!と音を立てて当たった。
それと共に環くんが駆け寄ってきて、私の手からスプーンとかき氷の容器を奪い取り、それを一気に平らげた。
そしてしゃがみ込んで頬を押さえながら、お兄さんなんかした…?と打ちひしがれている二階堂さんに、環くんは言い放った。




「俺んだから!!!」




何が?と首を傾げた私から見えた環くんの顔は、未だにちょっぴり赤かった。



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