クリスマスパーティー@




「それでは皆さん!メリークリスマス!」

小鳥遊事務所に、陸の元気な声が響き渡る。
その声に続いてみんながメリークリスマスの言葉とともにグラスを鳴らした。

今年はみんなでクリスマスパーティーしませんか?と陸に誘われ、それに二つ返事をしたのが数週間前。クリスマスはIDOLiSH7もTRIGGERも、それからオレたちRe:valeも音楽番組の生放送があったから、それが終わり次第小鳥遊事務所に集合した。
いつの間に飾りつけたのか、ツリーやガーランド、それから色とりどりのバルーンまで飾られている。
この3グループが一堂に会することは珍しくはないのだけれど、今日はその中に珍しい人物がいた。

「なぁ、ななみん何食う?俺、取ってやんよ」
「ありがとう。環くんにお任せするよ」
「おい、奈々美。こっちで飲もうぜ」
「がっくんうっせー!ななみんは俺とご飯食べんの!」

それは、ヘアメイクさんの奈々美ちゃん。
オレたちもよくお世話になるヘアメイクさんだから全然いいんだけど、なんでここにいるのかという純粋な疑問が浮かんだ。

「ねぇ壮五。なんで奈々美ちゃんがここに?」
「え?あ…えっと、環くんが誘って」
「へぇ〜環が」

仲良いんだ?と更に浮かんだ疑問を壮五にぶつける前に、俺は2人を観察することにした。

「ななみん、どう?美味しい?」
「うん。美味しいよ」
「よかった」
「あ、環くん。ケチャップついてるよ」

そう言って環の口元をティッシュで拭う奈々美ちゃんと、それに顔を赤くする環。
そんな環の反応を見て、オレは慌ててユキを呼んだ。

「ゆっ!ゆゆゆユキ!」
「なんだいハニー」
「前に環から相談されたこと覚えてる?!」

小声でユキに尋ねれば、ユキは少し首を傾げたあと、あぁ。と思い出したかのように呟いた。

「恋バナ?」
「そう!その相手、誰だかわかっちゃった!!」

ユキは驚いたように、えっ。と声を漏らしたあと、オレの視線を追う。
もちろん、オレの視線の先にいるのは環と奈々美ちゃんだ。

「あ、これ美味しい」
「どれ?」
「これ。一口いる?」

あーん。と環の口元にフォークを運ぶ奈々美ちゃんと、それに顔を赤くする環。
あれ、なんかデジャブだな。と思いながらも、にやける口元を慌てて押さえる。
そんな2人の様子を見てユキは、なるほど。と納得したように頷いた。

「奈々美ちゃんか」
「びっくりじゃない?!」
「そうね」

全然びっくりしてるように見えない〜!なんて笑っていると、奈々美ちゃんが楽に呼ばれて席を立ったのがわかった。一人取り残されて寂しそうにしている環の両サイドを、ユキと固める。

「環!」
「楽しんでる?」
「うわっ、びびった!ももりんとゆきりんだ」

おつ〜。と言いながらチキンに齧り付きつつ、目線はしっかりと奈々美ちゃんを見ている環に口角が上がる。

「環くん、見過ぎだよ」
「は?!な、なんも見てねーし!」

ユキの言葉に慌てた環は顔が真っ赤で、これ見るの今日3回目だななんて笑ってしまう。そんなオレに、何笑ってんの!と拗ねたように唇を尖らせた環の肩に腕を回す。

「いや〜まさか、環の好きな人が奈々美ちゃんだとは」
「はっ、はぁ?!ちげーし!」
「隠すなよ。というか、バレバレだよ」

ほら、認めちゃいなよ。とユキは環に微笑んだ。そんなユキの表情がイケメンすぎたからか、環はオレたちから逃げようともがき始めた。

「わー!環が暴れ出した!」
「落ち着きなよ環くん」
「うるせー!離せ!あ!バンちゃん!助けて!ももりんとゆきりんがいじめる!」

たまたま近くを通ったバンさんに助けを求める環。困ったように笑いながらバンさんがこちらにやってきた。

「2人ともうちの子いじめないでよ」
「いじめてないですよ!」
「そうそう。かわいがってるだけ」

オレたちがバンさんに気を取られているうちに、環はオレたちを振り払い、楽や大和と一緒に飲んでいる奈々美ちゃんの元へと駆けて行く。
そのまま後ろから奈々美ちゃんに抱きついた環に、また口元が緩んだ。

「環くんかわいいね」
「あぁ、奈々美さんのこと?」

かわいいよね。と笑っているバンさんも、2人のこと気が付いてるのか!と、オレが話題を振ろうとしたと同時に、バンさんが声を上げた。

「飼い主に懐いてる大型犬みたいで」
「そう、初々しくて…って、え?!」
「え?」

不思議そうに首を傾げているバンさんに、思わずユキと顔を見合わせる。
『これは、言わない方がよさそう?』
『そうね』
目線で会話をしているオレたちに、バンさんは再び首げたのだった。



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