クリスマスパーティーA




「奈々美何寝てんだ、起きろ。まだまだ飲もうぜ!」
「んー…あと5分…」
「あーあー。こりゃ完全に潰れちゃったな」

クリスマスだからと浮かれすぎたのか、店じゃないから気が緩んだのか、珍しく片瀬ちゃんが酔い潰れてしまった。

ちなみに、近くの床には酒瓶を抱いているソウが転がっていて、八乙女はしょうがねえな!と、ミツ、十さん、百さんの運動部へと乱入しにいくという、なかなかにカオスな光景が広がっていた。
そんな中取り残されたオレ。
あれ、お兄さん、今パーティー中なのにぼっちじゃん…。

「あー…どうすっかなぁ〜」

口ではそう言いつつも、まぁ放っておいていいか。なんて心の中で思いながら、ビールの缶を傾けると同時に、あー!!!と大きな声が頭に響いた。

「ヤマさん!なんだよこれ!飲ませすぎんなつったのに!!」

どうやら、タマ率いる追加の買い出し組が戻ってきたようだ。

「そーちゃん、こんなところで寝てたら風邪ひくぞ!起きろって!」
「んー…たーくん、うるさーい」
「こんにゃろー…」

タマはどうやら床のソウにしか気が付いてないらしい。ふと顔を上げたタマが、ソファの上の片瀬ちゃんの存在に気が付いた瞬間、は?!と大声をあげた。

「ななみんまで!?」

起きろー!と言いながらタマが強めに肩を揺すると、片瀬ちゃんがもぞもぞと動き目を覚ました。

「んー…」
「ななみん!」
「環くん…?おはよー」
「おはよ。って、うわっ!ちょっ!」

まだ眠いのか、おやすみー。と言いながらタマに抱きついた片瀬ちゃん。突然のことでそれを支えきれなかったタマは、そのまま床に倒れ込む。あー、けつ痛そう。

「ちょ、ななみん!起きて!」
「うーん…」
「うーんじゃなくて…!」
「んー…」

タマに抱きついたまま眠ってしまった片瀬ちゃんと、状況が把握できずに固まっているタマは、はたから見るとただただ面白い。
にやける口元を隠しきれていない俺の顔を見て、タマは声を上げた。

「ヤマさん!見てないで助けろよ!てか、にやにやすんな!」
「あーあー、お兄さん飲みすぎて何も聞こえなーい」
「はぁ?!何言ってんだし!おい!ななみん起きろって!」

頼むから〜!!と半べそをかいているタマを見る限り、ドキドキしすぎて心臓が爆発しそう!といったところだろうか。
わーわーと騒いでいるタマに、さすがの片瀬ちゃんも目を覚ましたのか、ゆっくりと上体を起こした。
そして片瀬ちゃんは、ほっと安堵の息を吐いたタマの口元に人差し指を添え、上目遣いで首を傾げながらタマに告げた。

「環くん、しー。ね?」

そう言って再びタマに抱きついて寝始めた片瀬ちゃんに、タマは顔を真っ赤にしながら、声にならない声を上げ、おとなしくなった。

タマ、ご愁傷様。と心の中で呟きつつ、俺は本日何本目かわからないビールを開けたのだった。



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