お正月とこたつ




「今年って何年だっけ?牛?」
「ん〜?あー…牛だね」

お正月ののんびりムードの中、万理と2人でこたつに入ってなんとなくテレビを見ている。そうかぁ、牛かぁ。なんて、言葉を続けるも、特に広がる話題でも無くて、会話はそこで一旦終了。
こたつのせいで眠たいのか、今日は会話のテンポが遅い。というか、万理の反応が鈍い。

「ねぇ、おせち詰めないと」
「あ〜そうだな…」
「初詣も行くんでしょ?」
「う〜ん…午後からでいいんじゃない?」
「…初詣の前に、お正月限定のろっぷちゃん買いに行くの付き合ってくれるって言った」
「…そうだっけ」

あくびをしている万理の足をこたつの中で軽く蹴れば、あ!と声を上げた。

「蹴ったな」
「脚が長いからあたっちゃった」

わざとらしくそう言いながらこたつの電源を切れば、万理は再び、あ!と声を上げた。

「なんで電源切るんだよ…!」
「こたつタイム終了です。ほら、早く準備して出かけようよ」

私の言葉を無視してこたつの電源を入れた万理に、思わず顔を顰める。そんな万理を尻目にある人にラビチャを送れば、すぐに返事が返ってきた。

「万理行かないなら、ユキと行ってくる」
「あいつが行くって言うわけないだろ」
「買い物付き合って。って送ったら、いいよ。って返事きたもん」
「え?!」

ほら。とラビチャの画面を見せれば、今度は万理が顔を顰め、こたつの中で私の脚を蹴ってくる。

「あ、蹴った!」
「浮気する方が悪い」
「万理がこたつに浮気したのが先だし」

そう言って脚を蹴り返すと同時に、万理が笑い声を上げた。え…急に何…こわっ…。

「ははっ、こたつに浮気って」
「…そんなに笑わなくてもいいじゃん」
「ごめん。かわいいなって思っただけだよ」

その言葉に頬が熱くなるのを感じて、ぐっと押し黙る。そんな私の反応を見て万理は、こたつに頬杖をつきながら、まだ慣れないの?と笑った。

「…うるさい」
「そう言うところもかわいい」
「…もういい。本当にユキと出かけちゃうからね!万理はこたつちゃんとお幸せに」

そう言ってこたつから出る私に合わせて、万理もこたつから出たのがわかった。なに?と軽く睨みつけるように万理を見上げれば彼は、ん?と首を傾げた。

「あぁ、こたつちゃんと俺の関係はたった今終わったんだ」
「…無機物相手でも漂うクズ男感」
「失礼だな」

ほら、早く行こう。とコートを羽織る万理を眺めながらユキに、大成功。と送れば、貸し一つね。と返ってきて、その字面の恐ろしさに少し震えた。
彼に借りはあまり作りたくないし、今後はどうしてもの時の最終手段にしよう。と私は心に決めたのだった。



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