あいう


約束した喫茶店に入った。陽射しの強い通りを歩いてきたので、暗い店内にすぐには眼が慣れなかった。二、三人いる客に視線を凝らし、由里はまだ来ていないとわかった。どこに坐ろうかと思ったとき、「恒夫ちゃんじゃない」と声がした。

右手のボックスに若い女が微笑んでいる。ある面影が鼓動を伴いながら浮かびあがってきた。しかし、とっさに確信がもてなかった。
「律子さん……、ですか」と尋ねた。
「やっぱり。しばらくねえ、何年ぶりかしら」

恒夫は頭を

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