そこに未来はない



私には好きな人がいる。
同じクラスの斉木楠雄くんだ。
きっかけは些細な事でもう覚えていない、
でも人を好きになるのに理由や理屈はないと思う。
で話が脱線してしまったが、その好きな斉木くんだが私は彼に告白をしてなんとOKを貰ったのだ。
これはまさに青天の霹靂というべきか驚天動地というべきなのか、もう言葉にならないくらい嬉しかった。
それからの日々はまさに薔薇色の学園生活になった、周りに知られて何か言われるのは私もあんまり好ましくはなかったので誰にも報告はしなかったが、帰りに学校から少し離れた所で待ち合わせて一緒に帰ったり、休みの日に一緒に出かけたり…………….
そうここで吐き出せないくらいに満ちていたのだ。

今の言葉が過去形なのには理由がある。



現在、私は斉木くんに見知らぬ部屋の一室に軟禁されている。

基本的に部屋にはベッドとテレビあと小さなテーブルと飲み物が入った冷蔵庫だけがあり、窓はない。
部屋のドアには鍵がかかっている為、出ることはできない

食事は一日2食、朝と夜に斉木くんが持ってきてくれる。
朝はご飯をくれる時に少しだけ斉木くんとお話をして、昼間の斉木くんがいない時間はテレビを見たり、寝ていたりしている。
夜は、、


コンコン

「!」

ノックの後食事を持って斉木くんが部屋に入ってきた。

「お帰りなさい!斉木くん!」

ただいま、美琴

入ってきた斉木くんに駆け寄って出迎える。

いいこ

斉木くんが優しく笑って私の頭を撫でてくれる。

ご飯を斉木くんから受け取ってテーブルに置き食べる、斉木くんはというと食べている私をみていたり隣に座って本を読んでいたりする。




美味しかったか?

「うん、ありがとう。」

ねぇ美琴

「ん?なぁに?」

ここから出たいかい?

「………..」

少しだけ俯いて考える、別段軟禁してくれなどと頼んだ覚えはないし、そんなことを聞かれても困るというのが本音だけど………….

私は、斉木くんといられるならこんな歪んだ世界でもいいとさえ考えているのが本音だ。

「私はね……斉木くんといたい」

うん、僕もだよ美琴

ぎゅっと抱きしめられた。

ずっと一緒にいよう。



そこに未来はないだろう。
でもあなたといられるなら未来なんていらない。



2017.07.10




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