彼女の好きなところ



基本的に人とは関わりを持たないようにしている僕だが、最近彼女が出来た。
彼女は、同じクラスの桐生美琴という名前で容姿も知能もまさに人並み、特にこれといって秀でているわけではない。

「ねえ、何か今酷いこと考えてない?」

隣を歩く美琴がムッとした顔でこちらを覗き込みながら聞いてきた、超能力もないくせに妙に鋭いな。

別にそんなこと考えてない。

「ふーん、そう…あ、所で今日家に来ない?美味しいケーキがあるの。」

勿論お邪魔させてもらう。

うなづきながら首を縦に振ると彼女は嬉しそうに笑い喜んだ。


彼女の家に着いてから彼女の母に挨拶をして彼女の部屋でケーキとお茶を本を読みながら待っていた。
ふと、部屋を見渡してみた、自分の部屋や海藤達男の部屋とは違い、甘い匂いがふんわりとする。
別にこんな事でドキドキしたりはしないが少しだけ不思議な気持ちになる。

「斉木くんお待たせ!」

彼女がお茶とケーキを持って入ってきた。

そんなに待っていない

それからお茶をしながらしばし談笑をしたり最近読んだ本の感想などを話し、時刻は気づけば17時を過ぎていた。


「もうこんな時間なんだね….そろそろ帰らなきゃだよね。」

さっきまで笑顔だった癖に急に寂しそうにそんな顔をする、あ、そうだ彼女の好きなところをまだ言っていなかったな

「美琴」

「ん?何?」

こちらを向いた彼女にキスをした。

また明日

「っ……….ま、また明日。」

真っ赤に赤面して口元を押さえながら蚊の泣くような声で言った。
こういう可愛いところが好きなんだよ。



2017.07.10




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