素直じゃない人たち


 


高津が一軍に昇格したらしい。そんな噂を聞き付けて、一つ下の学年の教室へ向かうために階段を一つ飛ばしで降りていった。

目的の人物の元へ向かうと、仲間たちに囲まれて嬉しそうに笑う姿。あー、照れてる?そんな高津の姿を見れることが嬉しくて、教室の中へと進む。




『高津…!』

「お前っ」




なんでここに、とびっくりする顔。




『一軍おめでとう!って言いにきた!』

「もう知ってんのかよ」

『金丸が教えてくれた』

「………」

『てかなんで教えてくれないのさ!』




そうだ。連絡をくれたのは金丸で、高津からは一切の連絡もなかった。
あの土手で素振りをした仲だと言うのに。勿論、見ていただけ。




「…別に。聞いてたんならいいだろ」

『っ、そういう問題じゃなーい!』

「うるせーな」




なんて可愛いげのない後輩なんだ…!
今日はいつもに増して、むすっとしてるし!




『せっかく、嬉しいこと聞いたから飛んできたのに。ここ最近で一番嬉しいことだったのに。あーあ可愛くない後輩だー』

「そうやって後輩扱いすんのがうぜー」

『んまっ!生意気ね!』

「ナメやがって…。こっち来いよ」




そういうと、立ち上がった高津に二の腕らへんを掴まれ、連れて行かれる。
本当に私のことを先輩だと思っているのか、高津広臣よ。




『先輩をこんなところに呼び出しておいて、なにする気。大体、先輩に対する態度をわきまえて…』

「いい加減黙れよ、うるせぇ」

『なななっ』




生意気に、壁ドン!?
当たり前だけど、高津の方が背が高くて見下ろされると、威圧感がすごい。
その威圧感にプラスされて、睨み付けるような鋭い眼光は私の動きを停止させる。蛇に睨まれた蛙という表現はきっとこういうときに使うのだろうか。




「……」

『…ごめんなさい。怒らせるつもりはなかったの』

「……」

『ただ、おめでとうが言いたくて…。だから、今日のところは…』

「お前には俺から言うつもりだった」




高津が視線を外しながら言う。




「先に聞きやがって」

『高津…』

「後輩扱いも…。うんざりなんだよ」

『っ』




今のってどういう意味?普段口数の少ない高津が、珍しく長く話す。後輩扱いされたくないって、もしかして高津も私のことを…?背を向けて行ってしまおうとするから、急いで呼び止める。




『後輩扱いされたくないって、じゃあ私はどう見ればいいの!?』

「自分で考えろバーカ」




気だるそうに振り向いて一言。




『わかんないよ!はっきり言って!』

「言ってやんねー。後輩扱いしてきたバツだ。たまには焦らされる立場になってみろ」

『〜っ』

「欲しいって、はっきり言えたら考えてやるよ名前」




こんなに俺様でふてぶてしい後輩はいるのでしょうか?腹立ってきたから、私からも一言つげておく。




『はいはい私のこと大好きってことね、広臣のばーかあーほ!あっかんべー!』

「てめっ…!!」



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