青い恋はもうできない


この策に協力してくれればなんでもする、と。まるで悪魔のような、いや娼婦のような甘やかな囁きが俺の耳元に蛇のように絡みついてくる。その締め付けに抗おうとも、俺の未熟な理性はそれを払いのけることができず己の腰に回らされた手を甘受することしかできなかった。彼の吐息の近さにただ欲を昂らせることしか。

「…っか、賈ク殿、俺は、」
「ああ、分かってるさ。あんたは、俺に惚れてる」

彼は全て見抜いている。俺が出会って間もない頃からあなたに惚れていること。だからこそ、この感情を利用して俺が非道ともとれる策に便乗し対価として偽りの愛を手に入れるなど本望ではないことも。しかしそれが彼だった。策を成就させるためであれば身内であろうと小賢しく利用して、更に自らの身も差し出す。まさしく策に生き策に殉ずる。それが賈ク殿だった。

「だから、な。…頼むよ」

ああ。正に悪魔の囁きだ。あんたしかいない。なんでもしてやる。俺のような若くて未熟な青二才が喜ぶ言葉を、仕草を、表情を、彼は全て知り尽くしている。意中の相手が己を求めるように密着して、売女の如く色気のある動きで己が腿を撫で、懇願するような艶やかな表情で見つめられては、その体を拒絶することなど、到底できはしなかった。全くもって愚かだ。
言葉もなく頷きもせず、ただ肯定を意味するように、噛み付くように唇を奪い取った。欲に負けた獣は見るに堪えない。それでも彼は嬉しそうに笑みを浮かべてただそれを受け入れた。大の男に押し倒されて身包みを剥がされ枯れた体に熱を持った手を弄られても、ずっと。

「…すきだよ、陽世殿」

俺はただ、あなたの愛が欲しいだけなのだ。