万華鏡


「官兵衛様って、お美しいっすよね」
あの嫌味な三成の態度にも、子供のような半兵衛さんのわがままにも、眉ひとつ動かさないあの仏頂面が珍しく歪んだのを見て、俺は何だか満足気になった。しばらくの沈黙の後、怪訝なものを見るような目で官兵衛さんが口を開く。
「……それは外か、もしくは内の話か」
「えーと…両方?」
「………………常々感じていたが、卿の感性はやはり常人よりかけ離れているようだ」
この私が美しいなどと。と、不快な思いをしたとでも言いたげにぶつぶつと文句を垂れる彼に俺はなぜだか愛しい気持ちになってしまった。俺だけがあなたの美しさを知っている。粗野な見た目でも、中を覗けば美しい光が輝いている。様々に形を変えて俺を魅了するその光を、いつか俺のものにできたなら。俺の手で彩ることができたなら、なんて。
(ただあなたが欲しいのだ)