「クロード」
 しっとりとした空気が肌にまとわりつくような夜、萌子は恋人であるクロードの部屋に来た。図書室で調べ物しようとしていたクロードにとっては、ほんの少し残念な気持ちになったが、それでも愛する彼女がこうやって訪れてくれることは嬉しいことこの上ない。
 「なにかあったか?」
 なんて、返答を聞く前に、
 チュ、
 唇に柔らかい感触を感じる。
 「寝る前に、キス、したかったの…」
 彼女を見ると顔を真っ赤にして、上ずった声でそんなことをいうものだから、
 「萌子、」
 クロードも彼女の唇に自分のソレを重ねて、彼女の髪にも唇を落とした。
 「お嬢様、そんなお願いならいつでも聞きますよ」