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***病院での治療をうけない選択***


抗がん剤での深刻な副作用と身体に及ぼす悪影響が叫ばれる昨今では、病院での治療を拒否する人が増えていると聞きます。

どんな治療法を選ぶかや、治療そのものをするかしないかは人それぞれの考え方で自由です。立場や病状による違いもあります。

でも、病院での治療をうけない選択をするなら知っておかなければならないことがあって、このページでまとめました。
標準治療をしない決心をする前にぜひ読んでみて下さい。

 ▼癌には病院に頼らなきゃどうにもならないときがある、命を守る為に

大腸がんは腸閉塞をおこす可能性がとても高い病気です。
私自身、腸閉塞をおこして大腸癌が見つかりました。
腸閉塞の痛みは文字通り「悶絶」します。嘔吐も激しく、とても病院のお世話にならずにはいられないし、病院での処置がおそければ大腸に穴が開いたり破裂するので命を落とす人もいます。
緊急手術をしても助からないことも多いと医師・看護士からしつこいほど聞かされました。
また末期の大腸癌では、こうした症状との闘いになるとも聞きます。
腸閉塞に絡んで長期絶食しなければならない場合もあって、素人だけでの栄養管理はたいへん危険なものです。
大腸癌では人工肛門が必要になる場合もあるので実際問題として病院との付き合いは欠かせません

癌の危険な症状にはもう1つ貧血があります。
女性は元々貧血になりやすく、わりと"お馴染み"の症状なので、逆に軽く考えてしまいがちなのですが、重い貧血は命に係わります。
実際、私のブログには「貧血が原因でお母さまを亡くされた」というコメントが寄せられています。

私も癌が見つかった時点でヘモグロビン5.8のとても危険な状態でした。
当然ながら病院での処置が必要です。


私の友人のお父さんは一年以上前に末期の膀胱癌と診断され、標準治療と延命措置は一切しないと決めておられます。
でも、様々な症状に対しての処置=対症療法は普通にうけているので、定期的に通院しているし、場合によって入院したりもしています。
そうすることで生活の質を保てるし、本人もご家族も安心して暮らせます


標準治療を拒否している方でも、癌による痛みや苦痛で結局は病院に駆け込むことも多くて、最初は「代替療法で治してみせる!」と意気込んでいても最後までやり抜ける方は案外少ないみたいです。
これは、標準治療を否定するような書籍がちょっとしたブームのようになっている影に隠れて、あまり情報としてひろまってはいない印象ですが、医療者側から言われている、現実ですよね。


不安を煽って病院での治療を勧めたいと思っているわけではなくて、
病院での治療をうけない選択をしても病院にまったく行かないことにはならない
ということを伝えたいのです。
もちろん、各種検査だって定期的に必要なはずです、そうしないと良くなっているのか悪化傾向かさえわかりませんし。

どんな治療法を選ぶにしても
医師との信頼関係は保っておかなければなりません




 ▼理解してもらえないことも

 標準治療をしないイコール治す気がない ではない
と思うのは、もしかしたらあなた一人だけかもしれませんよ?

医師が標準治療をすすめないのは、末期癌の高齢者かと思います。
友人のお父さんも、望んで治療しなかったのではなく、医師から「すでに治療や手術ができる状態ではない」と告げられたからです。
そういう状況以外の患者さんに対しては、できる限りの治療で少しでも快方に向かわせたいと考えるはずで、治療をうけないのは治す気がないように思えるかもしれません。

治療をする側の医師から、治療をうけない選択は理解を得にくいのも当然だと思います。


医師だけでなく家族からも理解されないかもしれません。

もしも、万が一私の息子が癌で、病院では治療しないなんて言い出したら、私はとうてい受け入れられませんね。
なので病院に行くよう説得するでしょうし、半狂乱になりそうです。

病院では治療しない人が増えているとはいえ、それは一部の人だし、まだまだ標準治療が一般的であたりまえのように思われています。

なので病院で治療しないのは
「生きることを諦めた」
ように思われても不思議じゃない。

家族に理解してもらうには、なぜ標準治療をうけたくないのか、
そのかわりに何をするのか、
そしてそれはどの程度効果があるか、
標準治療と比べ本当に効果的なのか、
などをきちんと説明して、家族もいっしょに勉強してもらうしかないですよね。

癌の治療に家族の協力は欠かせませんし、癌てだけで心配させているはずですからそれ以上不安にはさせられないので、きっちり理解してもらいましょう。
それにはコミュニケーションが何より大切、ご夫婦・ご家族で充分に話し合って気持ちを1つにすることで、癌には負けないパワーが生まれるんだと思います。


いずれにしても、病院での治療をうけないという選択はイバラの道
それなりの覚悟が必要です。


 ▼目標はどこにあるのか

これは、標準治療を拒み、代替(民間)療法を実践しておられる方のブログを読ませていただいてとても強く感じたことです。

癌が進行すると、完治は残念ながら見込めないこともあるのが現実です。

医師から完治は難しいと告げられ、代替療法に望みをかけて取り組み、完治を目指す。
その気持ちは痛いほどわかります。
治せないのに、辛い副作用に耐えて、体力を奪われる化学療法をする意味はない、と思うのも理解できます。

でも、ちょっと待って、冷静に考えてみて下さい。

医療のプロである医師の力をもってしても完全には治すことが難しい癌を、素人が短期的に生活改善したり、短期間サプリや健康食品、漢方などを摂取したからといって、果たして治せるものでしょうか?
答えはNOだと私は思っています、というか確信しています。

そもそもそうしたものは、本来何年もの長期間続けることで効果が現れるもので、数ヵ月やそこらで劇的な効果を得られるなんてマユツバものです、あり得ない。
進行する病気の癌に対しては、スピード感が圧倒的にたりてません。

なら絶望的かというとそうではなくて、
何を目標にするかによってちゃんとした充分な結果を得ている人がいるんですよね。

治せない病気は、がん以外にもたくさんあります。
腎臓や肝臓の病気やアレルギー性の慢性疾患などなど。
癌で代替療法に取り組み、何年も元気に暮らす人と癌以外の難治性の病気の人達には共通点があります。

それは病気と上手く共存していることです。

あまり「完治」に拘るのはやっぱり無理があるように感じます。

癌の成長や増幅・憎悪を抑えて、癌と共存することが目標でも良いと思いませんか?
上手く共存できたその先に、完治に近いものがあったら最高ですね!


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