さらば君 チラウラ

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※今後完結見込みがない為、登場人物一覧とプロットを公開しています。

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登場人物

天野二歩(16)
本作主人公。
大阪生まれ大阪育ちの生粋の大阪府民の女子高生。
そのわりに口調がエセっぽいのは作者の大阪弁のレベルが低いから。
高校の修学旅行で上京したおり、江戸城の水堀に落ちたことから西暦1600年(慶長5年)6月の江戸城内にタイムトリップした。
ただの大阪府民の豊臣贔屓を超越した歴オタのようななにか。
直情型で猪突猛進だが、変に度胸が据わっていて、それなりに腹芸もできるがそこは小娘なので詰めが甘い。
トリップした先が関ヶ原の戦いの直前の過去だと知り、無意識の現実逃避もあって、西軍を勝たせて歴史を変えようと画策する。

石田三成
西軍総大将。
秀吉様至上主義の家康絶対殺すマン。
二歩の事は秀吉好き仲間だと思っているが、裏切ったら殺す。(断言)
基本的には前しか見ていない究極のポジティブだが、吉継に対しては友情のようなものを感じている。
裏表がなさすぎて敵の多いタイプで、策を弄するのが苦手。

大谷吉継
西軍勢。
三成の補佐のような役割を行っており、西軍側で二歩が初めて会った人物。
悲劇のさわやか男前義将という後世のイメージを大きく裏切る腹黒悪役面。
わりと手段を選ばないところがあるが、三成に対しては過保護気味。
自分の病を嘆きながらもそれをひけらかして楽しんでいたが、病を恐れてはいるものの自分を避けない二歩には困惑気味。

徳川家康
東軍総大将。
二歩がトリップ後初めて会った歴史人物。
問答無用で叩き斬らなかっただけ、一応は大恩人。
絆の力で天下泰平を目指す、後の東照大権現。
だが、二歩にはうさんくさいガ○プラ好きの二十代にしか見えていない。
戦を無くす為に戦をする矛盾に悩みつつ、元の朋輩である三成と敵対することに心を痛めている。

伊達政宗
東軍勢。
たまたま家康を訪ねてきた江戸城で二歩と出会う。
日本○送協会によるイメージ戦略に負けるが、一応、二歩からはイケメンのお墨付きをもらう。
未来を知るという二歩の存在の魅力と危険性に気づいてはいるものの、家康の顔を立てて、無理矢理東軍に引き留めることもなかった。

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あらすじ(プロット)

高校の修学旅行で東京に来ていた二歩は江戸城の堀に何者かに突き落とされる→気づくと400年前の江戸城城内、家康の前にいる。困惑する家康と二歩。伊達主従も折よく江戸城を訪ねてくる→現在自分のいる場所があの有名な関ヶ原の戦いの前である、と知ることになる二歩。この時点でまだあまり現実味はない。無意識のうちに現実逃避として、歴史を変えることを思いつく→家康を説得し、西軍へと向かう二歩→歴史的知識から吉継の病を恐れない二歩に、吉継からはある程度の信頼を得る→三成からは動物的感で豊臣への忠誠心を認められる→三成・吉継に連れられ、雑賀や毛利、長曾我部、真田、大友、島津等と接触した二歩は江戸城で感じていた違和感=ここが自分の知る歴史から大きく外れていることを嫌でも知ることになる→自分はどこに来てしまったのか、何を信じればいいのかわからない二歩には、前しか見ていない三成はひどくまぶしく映る→いつの間にか三成に惹かれていたことに気付く二歩、しかし、自分の知る歴史と違うこの世界で三成に勝利をもたらすことが難しいことにも気づく→結局、関ヶ原の戦いは二歩の知るものとはまるで違う形で始まってしまう→家康を殺しに行くので、さらばだ、と言う三成。答えられない二歩→目の前で人がどんどん死んでいく。戦に疎い二歩にも確かに西軍は劣勢に見える。自分の知らない歴史のはずなのに、結末だけが自分の知る歴史であることに絶望を覚える二歩→ここで死ねば元の場所へ帰ることができるだろうか、と考える二歩。しかし、三成と吉継を置いては帰れない、とも思う→三成は誰よりも遠くを走っていて、生きているか死んでいるかもわからない。二歩は吉継と共にいる。自分が足手まといになっていることを自覚している二歩は、今からでも降参すれば家康を説得して、三成と吉継が殺されなくても済むかもしれない、と言い出す→二歩の言う言葉を鼻で笑う吉継。元より生きるための戦いではなく、三成も家康に命を救われるよりは死ぬだろうと言う。理解はできても納得はできない二歩→ふと西の空が光る。アマツミカボシだ、と吉継は言う。凶星であると笑う。あれは東軍にとっての不吉の兆しか、それとも西軍にとってのものか→皆死ねばいいと吉継は言う。ただ、お前は死にたくはないのだろう、と吉継は二歩に言う→二歩は、死にたくない、皆と生きたい、という。自分が甘い自覚はある。ふと、目の前がおぼろになる→少しずつ透明になっていく二歩の体に、星はお前だったのか、という吉継。嫌だ、一緒にいる、と泣く二歩。お前はお前の天に帰れ、という吉継。わたし、まださよならも言えていない、という二歩。三成はいない→いつの間にか二歩はホテルのベッドで寝ている。長い夢を見ていた。きっとあの世界の三成も、吉継も、死んだのだろうと思う。そして少しだけ笑う。思いを告げる間もない、告げたところでかなわない恋だった、さらば、君。

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さらば君氷にさける花の室恋なき恋をうるはしと云へ(山川登美子)

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2022/06/07

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