線香花火

もうすぐ夏が終わる頃、** に花火やろっ!と近くの河川敷に誘われた
赤に青に緑に黄色、色とりどりの炎にはしゃぐ**
「やっぱ打ち上げ花火よりも地味だな」と呟けば「趣があって良いでしょ」これだから外人はとでも言うように、ケラケラと笑われた

「あー、これで最後か」
そんな残念そうな言葉と共に出されたのは一本の線香花火
先に火を着けると小さくジーと、音をたてて真ん中の火種からパチパチと弾け飛ぶ火の粉
それを二人しゃがんでジッと見る
** の顔を盗み見ると思ったよりも近くて、暗かったが彼女の何故か真剣な表情が映った
改めて見ると意外と顔は整っていて、こいつってこんなに綺麗だったか?という疑問と、もっと見ていたいという欲が生まれる
しかし、火種が俺の感情の様にどんどん膨らんでジュッという音と共に落ちた
** は花火を近くのバケツに入れ、「帰ろっか」と立ち上がった
「あぁ」と答え先を歩く** を見ながら、彼女への自分の好意もあの線香花火の様にいつかは落ちてしまうのだろうかと、思った
もしそうなら、落ちる前に伝えなければ
夏は短い、さらに火種が落ちるまではもっと短いから

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イギリスがこんなピュアな子だったらいいな(願望)