小ネタ
名前変換無し、ジャンル傾向ごちゃまぜの超短文。履歴には載りません。ここから短編やシリーズへ格上げする場合もアリ。


乙骨憂太

子供のように怯える彼女の手を取る。可哀想に、そんなに震えて。何か怖いことでもあったのだろうか。「大丈夫?」そう声をかけても、彼女は何も言わない。ただ俯いて泣くばかりだった。「もう怖いものは何もないよ。だから、安心して」安心させるように呟いた言葉に彼女の肩が小さく跳ねたのは、きっと僕の気のせいだと思う。

五条悟

私が死んだらどうする?なんてくだらないことを聞かれた。そんな簡単に死なせるわけないだろ。そう答えたら、彼女はもしもの話、と笑う。お前が死んだらどうするか、ね。そんなの決まってるよ。「全部食べるよ、残さずね」

ステファノ

「君は自分が何のために生まれてきたのか、考えたことはあるか?」怯えたまま、ただ震えるばかりの彼女は相も変わらず口を開くことはない。否、出来ないと言ったほうが正しいだろうか。手に持っていたナイフを彼女の頬に当て滑らせると赤い線が浮かび上がる。白い肌によく生えてとても美しい。痛みに歪む表情を逃すまいとシャッターを切る。「誰からも教わることは無いだろう、だから僕が教えてやる。君が生まれてきたのは…今ここにいるのは、僕のためだ。僕の作品になるべく、君は生まれてきた」それこそが、それだけが真実なのだ。

ジェイド

幼い頃に海底で拾った貝殻は、陽に透かすと煌めいて見えた。何の変哲も無い、毎日目にしている物なのに、それだけが特別に感じたのは何故だったのだろう。今にも壊れてしまいそうな儚さが余計にそう思わせたのかもしれない。「ジェイド先輩」と僕を呼ぶ彼女の綺麗な瞳を見てそんなことを思い出した。…あの貝殻は結局壊してしまった。綺麗な物が自らの手で壊れる様を、見てみたかったからだ。今僕が彼女に抱いている気持ちは、きっとそれと同じなのだろう。