ーー先生、

吐息に眩暈がする。

ーー先生、ごめんなさい、

抱きかかえた腕の中の少女の熱が、じわりじわりと伝わってくる。

運動が大好きではしゃぎすぎた彼女が倒れるまでには、そう時間を要さなかった。

身体を大切にするほどのアスリート意識はなく、何でもかんでも首を突っ込んでは怪我をする馬鹿者が。

私が見ていなかったら、

お前はいつも、人の目に付かぬ所で、

倒れるから、

「先生、なんで?」

なんで分かるの?

「さあ、な」

期待してもいいの?
呟かれた言葉は衝撃的で、馬鹿も大概にしないか、と静かに罵った。

「いつも見ているでしょう?」

指摘された事実は、事実だけに、胸の奥に動揺を生む。

「何故、分かる」
「私も先生のこと、見てるから」

朦朧とした顔に、大人びた笑みが、ひどく扇情的だった。