2018/02/28(Wed) 例えば


release夢主と轟くん。

「焦凍くんって最近笑うようになったよね」
「そうか?」
「うん。すごく好きだよ」

彼女はよく人を褒めたり、好意を伝えたりする。それは別に俺だけに限ったことじゃない。
女子に向かって言うこともあれば、俺以外の男子に言うこともある。

例えば、この前緑谷に向かって「緑谷くんはいつも色んな人のデータを取っていて凄いね!尊敬するよ」と穏やかに話しかけていた。それが嫌じゃないかと聞かれれば素直には頷けねぇ。

俺だけ見てくれ。とは思うが縛りつけてぇわけじゃねぇ。

彼女には白い羽根が似合う。大きな翼をその背中に生やして空を飛ぶ姿が、彼女そのもののように感じる。彼女は自由が似合う。

「焦凍くん」

でも彼女が俺に柔らかく微笑んでくれるのなら俺は、きっと彼女を手放せなくなる。俺に笑いかけてくれる度、彼女が柔らかく俺の名前を呼ぶ度に彼女を手に入れたくて仕方がなくなる。

手を伸ばしたら触れる距離にいても物足りねぇ。もっと、もっとと貪欲に全てが欲しくなる。
大事にしたい、彼女を縛りつけたくない。が、彼女が俺のところから離れねぇようにしたい、彼女の全てを手に入れてぇ。

俺以外を知らないで欲しい。

「焦凍くん、好きだよ」
「あぁ、俺もだ」

触り心地のいい頬に手を伸ばしてそっと顔を近づける。するの目の前の彼女はゆっくりと目を閉じてくれる。唇が重なると彼女はいつも睫毛を震わせる。きっとそれを彼女は知らねぇ。俺しか知らねぇ。

彼女の全てを俺以外は知らなくていい。


みたいな事を考えてくれたらいいなとは思う。