2018/03/02(Fri) 例えば


人魚姫パロ轟くん夢だとして。

深い深い海の底。私は美しいと言われる声と引き換えに足を手に入れた。そして私は今、とある王子様の保護下で生活してる。彼は言葉を話せない私をお城まで連れてきてくれた。
思いやりのあって、穏やかに笑い時折何処か遠い所を見てる。そんな人だ。

彼は、ショート王子は歩くことの出来ない私をよく馬に乗せて色んなところに連れていってくれる。その時間が好きだ。特に何気ない彼との会話が好きだ。紙に文字を書いたり、砂浜に座ってそこに文字を書いたりしてゆっくりと進む会話が好きだ。

「此処は春になると花が咲く」
「ここから見た夕陽は俺のお気に入りのところだ」
「お前はそのままでいい。言葉は交わせなくても俺は今のままで満足している」

「お前は、あの人に…俺を救ってくれたあの人によく似ている」

ショート王子と初めて会ったのは彼が乗っていた船が嵐で難破した時のことだった。その時私は彼を海から救い、夜通しでみたが、人魚の私には知識がなくたまたま現れた女の人に託したのだ。そしてショート王子はその女の人に恋をした。

私だって貴方を助けたのに。

きっとそんな事は例え声が出たとしても言えない。だって、こんな恨み言のような言葉を言ってもショート王子を困らせるだけだもの。

ショート王子は彼女を修道院で見かけたと言っていた。だからこの恋は実らないのかもと。

「彼女は修道院に入っているから結婚もできねぇ」
「どうしても、結婚しないといけなくなったら…そうだな。あの人と似てるお前と結婚するよ」
「お前には付き合わせる事になって悪いが、どうか許してくれ」

寂しげに笑うショート王子になんて言葉をかけたらいいのかがわからなかった。

きっと彼は代用品の私を彼なりに愛してくれる。それでもきっと心はあの彼女のものだ。私には一生手に入らないものなのだろう。

人はどうしてこんなにも胸が苦しくなるのか、人はこれをなんと呼ぶのか私は知らない。


みたいな話を書きたい。