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「キューピッドさんキューピッドさん。呪われている私をさらに呪う気分はいかがですか?」私を呪うと言った後ろに居る『キューピッドさん』に振り返って問いかけると『キューピッドさん』は肩からかけた白装束をヒラヒラと靡かせながら立っていた。
「君は幸せ者だねぇ」
そう言って微笑んで見せる『キューピッドさん』、もとい『にっかり青江』
「神様に呪い(まじない)をかけてもらうんだからその呪いはありがたく頂戴するといい。と言っても僕の呪いなんて幽霊が近寄りませんようにとかそういう程度のものだけどね」
「幽霊が近寄らないどころかめちゃくちゃ関わっているんですが……」
「ふふ。君は随分と間が悪い人のようだ」
「こんなことは無かったはずなんですがね……」
自分は霊感は零感だと思っていたし、実際に今迄幽霊がみえることなんて一度もなかった。
だから自分からこういう、心霊現象じみた話題に関わろうとも思わなかった。
青江を見る。
想像していた幽霊や妖怪とはかけ離れて、ただの好青年にしか見えない姿は人に好かれるためか、人を謀るためか……
それにしても、
「……正直助かりました」
私が溜息をつきながらそう言うと青江は笑った。
その微笑みを私は嘘の笑顔だとは思えなかった。
――――
月明かりすらない真夜中は真っ暗で何も見えない。
その中を白色の布を纏った少女が一人。
白い布はまるで幽霊を髣髴とさせるかのようにふわり、ふわりと靡く。
その様を楽しむかのように足取りは軽やかだ。
その白を纏った少女が一つの家を見上げた。
「見付けた……」
そう言って微笑む少女の手には一振りの刀。
青白く輝いて見える刀は触れただけで切れてしまいそうに鋭い。
いつの間にか少女はその家の屋根の上に立っていた。
「お邪魔します」
少女は窓を開けて家に入る。
まるでそこが開いていることが当たり前だと言うかのように……
目当ての部屋を見付けた少女はベッドの側に立つ。
そこには眠っている少女が一人。
白を纏った少女は微笑み、眠っている少女の胸に刀を突き立てた