7
「あの悪霊はただ人間に遊んでもらいたかっただけなんだよ」悪霊を斬った後、私から出た青江は静かにそう言った。
「この道を覚えていたんだろう。元々生きていた時の散歩道だったのかもしれない」
「じゃあ私の後を追いかけてきたのは……」
「そう。君が人間だったからだよ」
この件はそれだけなのだと青江が言った。
「喰いつかれると言っていたのは?」
「そのままの意味だよ。遊んでもらおうと追いかけて、走り出したらそういう遊びなのだと思って走って追いかけるなんて動物ではよくある話さ。ただ今回は悪霊となってしまっていて、加減も何もできない。そんなのが喰いついたらただじゃあ済まないだろう」
「じゃあ本当に走らなければ問題はなかったんですね……」
「でも悪霊なんてものは祓ってしまった方が人のためだということは事実。これで一安心ということで」
この件はお終い。
青江はパンッと手を打ち鳴らした。
「まあこれで、代理が起きている時でも体を借りれるねぇ」
よろしくね、と言う青江に「待った!」と声を上げる。
「まって青江さん。起きている時でもって……まさか……!?」
「ふふ。代理が寝てる時に体を借りて『キューピッドさん』を斬りに行ったからねぇ」
あの時はなんとなくやってみたらできたんだよね、と青江。
自分の知らない間に勝手にそんなことをされていたとは知らず普通に過ごしていたなんてショックである。
「ということは、夜中に白色の布を靡かせて軽快に歩く幽霊って……」
「ああ、それ代理に憑依した僕だよ」
青江、お前だったのか……
真夜中の幽霊の正体は、青江が憑依した私だった。
何とも言えない結果に微妙な気持ちにはなったが、事件は無事?解決した。
それから暫く経ってから真夜中に幽霊の少女は出なくなったらしいとクラスメイトから聞かされた。