今日もクラスメイトに寄り道を誘われたが断った。昨日のことがあって出歩くことが躊躇われたからだ。
家に変えれば安心するだろうと思い早々に家に帰ったが、結局気持ちが晴れるどころか、思考はどんどん悪い方向へといってしまう。

「青江さん。昨日のは結局なんだったんですか?私が襲われなかったから他の人が襲われたんですか?」
「違うよ。代理が襲われなかったからじゃない。代理は運が良かったし、襲われた人は運が悪かったんだ」

運でそこまで決まるものなのかと不思議に思っているのが分かったのだろう。青江は続けて言った。

「運が良かった時に、『ついている』か『ついていない』と表現するだろう?襲われた人は『ついていなかった』けど、代理には僕が『ついていた』」
「青江さんが教えてくれなかったら私は襲われていたかもしれない?」
「そうだね。たいていの人は後ろから追いかけられている気がしたら、気味が悪いと急いでしまうだろうね」
「じゃあ襲われた人は……」
「言っただろう?『走ったら喰いつかれるよ』って」

私には青江がついていた。だから私には回避する方法があったし、今現在怪我することもなく生きている。
もし私が青江と出会っていなかったら……もし私が一人で昨日と同じようになっていたら……

「終わったことを考えたところでどうにもならないよ。代理は自分の身を護ることだけを考えるんだ」
「でも……例えばですよ?私がそのことを忘れて喰いつかれる可能性もあるってことなんですよね?完全に安全とは言い切れないわけですよね?」

自分のことだからこそどうしても考えてしまうし、どうにかして助かりたいと思ってしまう。
思わず握ってしまった青江の白装束にぐしゃりと皺が寄る。手の震えが止まらない。
青江が私を助けてくれる保証はないし、見捨てられるかもしれない。
そんな人ではないことくらい知っているのに疑うようなことを思ってしまうのは、私が完全に青江のことを信じきれていないからだ。

「ごめん、なさい……」

信じることができなくて。
私がそう言うと青江が微笑んで、私の手を取って包み込んだ。


「代理。僕を手伝ってくれるかい?」


「神様を信じられなかった罰だよ」と言った青江の優しさに、私は自分が恥ずかしく思った。

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