「起きた?」

目を開けたらどアップのイケメン。
思わずそっと目を閉じると、頭を軽く叩かれた。

「何また寝ようとしてんだよ」
「いや、何か凄いイケメンが近くて夢かと思って……」

どアップのイケメンと同じ顔をしたイケメンである晶は「何を言ってるんだこいつ?」と言いだげに眉を顰めながら俺を見てきた。それに少し悲しくなって思わず顔を覆った。顔がいいやつはいいね。

「ふふ。君は正直者だね」

「君のそういう所嫌いじゃないよ」と、さも当然かのように言い放ったどアップのイケメンである結。俺もそういう自信満々な所は嫌いじゃないが、でもやはり悔しく思うのは俺も一丁前に男だからだ。

「あー……で?俺いつの間に寝てた?迷惑かけてたらごめん」

何故寝ていたのか不思議だが、寝ていたことには変わりない。起き上がりながら二人に謝ると、二人とも珍しく言い淀む。本当に何で俺は床で寝てるんだ?

「それが、僕たちもさっぱりわからないんだよねぇ……」
「わからないって……もしかして薬でも盛られた?」
「馬鹿言ってんじゃねーよ。周り見てみろ」

そう言われ周りを見渡すと、魔界だった。
比喩でも何でもなく、魔界としか表現できない世界だった。

「いやいやいやいや」
「そう反応したくなる気持ちは俺にも分かるけどなぁ」
「待て待て待て待て」
「慌てたって仕方がないんだから落ち着きなよ」

確かに慌てても何かが起こることは無い。それでもだ

「お前ら落ち着きすぎやしないか?」
「まあ、前々からチラッと話を聞いてたからねぇ……」
「本当にこうなるとは思いもしなかったけどな」

と双子は言うが、俺だって友人から魔界に行ったのだという話は聞いたことある。
「えー!魔界とか羨ましー!」と言った俺は馬鹿だ。大馬鹿者だ。そりゃあ一真も微妙な顔をする。
魔界に来ても何もいいことない!右も左もわからない状態で何が「羨ましい〜」だ。ごめん一真。
友人に思いを馳せるが、もしかしたら彼らもここにきている可能性がある。まずは顔見知りの捜索だ。

「結!晶!」

面倒くさそうに返事をした二人を改めて見る。
結は上半身裸にマント。晶は上半身裸にズボンもスケスケ。二人がさらけ出す見事な腹筋。大事なところがギリギリ隠れているようなズボン。少し下にズレただけで大事なところが「こんにちは!」してしまいそうなズボン。もしかして、パンツ、穿いて、ない?
二人ともほぼ裸同然の格好だった。

「破廉恥!!」

叫んだ俺を嫌そうな顔して晶が指さしてくる。
そして自分の服装を見てアメリカンホームドラマ張りのリアクションをとってしまった。

「おいおい……冗談はよしてくれよお前ら……」

俺も同じく上半身裸でふわふわの何かの毛皮を纏っている格好だった。少し下にズレただけで織部稔の稔が「こんにちは!」してしまいそうなズボンだった。
破廉恥!!


to be continued…