暫く漆が妙の周囲を見回ってみて分かったことがあった。
近藤さん、貴方はいったい何をしているんですか……
漆は頭を抱えた。
ストーカーの正体は近藤であった。彼は見ず知らずの自分を引き入れてくれた優しい方だと思っていた漆にとって衝撃的な真実であった。いや、実際は優しい方なのだ。
しかし、彼は真選組の局長である。組織の頭である。
だから信じたくはない
きっとあれは近藤さんに似た誰かなのだと、あまりの出来事に漆は現実逃避を始めた。現実逃避は漆の十八番であった。
「決闘しろ!!お妙さんをかけて!!」
漆は決意した。
誰であろうとこの決意は覆せない。
「帰ろ」
付き合ってられないと漆は店の天井裏から出て裏路地へ行く。
暫く見ていたため、妙が物理的に強い女性であるということを知った。彼女なら大丈夫だ。
一瞬で私服に着替え、真選組へと帰る前にスーパーに寄って帰ることにした。
恋は人をも変えてしまう、今回漆が学んだことであった。
「いい気分だ」
全てを見なかったことにした漆は今日も素敵な一日であったと帰路につくのだった。
帰り道に土方と遭遇して倒れた近藤を見つけるまでは……