その日は綺麗な満月だった
月の光は深夜の暗く静まり返った町を明るく照らし、いつもは灯りを持っていないと歩いている方向さえ見えないような道も歩いて帰ることが出来た。
だから普段目につかないようなものが視界に入ったりもする訳で、道の端に黒い塊が落ちていたらそれが何であろうと気になってしまう。
勿論近づき確認する。
それは人で、廃刀令のこの御時世には持っていることすら罪とされる刀を携えていた。しかも二振りもである。
普段であれば屯所へ連れて行き、即取り調べが始まるであろう。
衣服は今では居ないとされている忍装束に近い。
そして血や硝煙の匂い……
明らかに怪しい
表に返すと血の匂いが濃くなったことから怪我をしていることがわかる。
彼は眉間には皺が寄り苦悶の表情をしていた。
俺は彼を放っておくことができず、連れて帰ることにした